今回は荷役機械(マテハン機器)である
・ホイスト
・クレーン
・ウィンチ
・チェンブロック
似ているようで少し違う、それぞれの持つ特徴と違いを解説します。
「マテハン機器とは」
マテハン機器とは、「マテリアルハンドリング機器」の略称で、パレット・フォークリフト・パワーリフター・ホイストなどなど、物の保管・運搬などの物流業務を効率化するために用いられる荷役機器のことです。
物流倉庫で稼働する搬送ロボットも「マテハン機器」に該当します。
それでは以下から順番に違いを説明していきます。
コンテンツ
ホイストとは
出典:トーヨーコーケン
一般的に言うホイストとは、荷を持ち上げる目的で使用する「巻き上げ機」です。
手動式・電動式・油圧式など動力源は様々です。
電動のホイストは、本体からペンダントコントローラが伸びており、押しボタンの操作でフックを上下に操作します。
基本的にホイストの特徴としては天井や天井に渡されたH構に吊り下げられており、上下のみ動きます。
前後左右には動きません。
クレーンとは
出典:新南陽クレーン教習所
マテハン機器においての「クレーン」とは、固定されたホイストが前後左右に移動する機構をもつもののことです。(横行・走行といいます)
クレーンは動力によって荷を吊り上げて水平に運搬できる装置のことです。
出典:新晃電機株式会社
上のような、コントローラを使用してクレーン操作をします。
一般的に普及しているクレーンの中でも最もポピュラーなものが上の絵のような「床上式クレーン」です。
ホイストとクレーンの違い
結論から言うと、ホイストとクレーンの違いは、
「荷を吊り上げて水平移動ができるかどうか」です。
ホイストとクレーンどちらも荷を吊り上げる装置ですが、
ホイスト=荷を吊り上げるのみ、水平移動はできない
クレーン=荷を吊り上げ、水平移動できる
これがホイストとクレーンの大きな違いです。
ちなみに水平移動できるものでも単純にホイストが走行するサドルにぶら下がっているだけのものもあります。(通称ホイスト式クレーン)
ウィンチとは
ウィンチとは、一般的には「巻き上げ機」と呼ばれることもあり、その名の通り荷をフックで引っ掛けたりして巻き上げる装置。
ですがホイストとの違いは荷を吊り上げるかどうか。
ホイスト→垂直に荷を吊り下げる装置
ウィンチ→垂直だけでなく荷の横引きなどに使用するものの総称
要するに横引き・垂直問わずワイヤーで荷を巻き上げるのが「ウィンチ」
垂直の吊り下げ用途のみに限定されるのが「ホイスト」といった特徴の違いがあります。
↑
SUV車、ジープなどにつかわれる電動ウィンチ。リモコン式で操作がかんたん。
チェーンブロックとは
チェーンブロックとは、その名前の通り「チェーン」を使って荷を巻き上げる装置のことです。
一般的によく見る種類のものは、手動式の、荷を吊り下げた逆側のチェーンをグッと巻き上げていき、
荷を上げていくタイプの「手動式チェーンブロック」です。
手動以外にも電動式や空圧式の種類があり、トロリーをつなげることでクレーンのようにチェーンの機構で水平移動も可能です。
↑象印製のチェンブロック用トロリー。
ウィンチとチェンブロックの違い
ウィンチとチェーンブロックの違いは以下です。
ウィンチ→ワイヤーで巻き上げ・現在は電動のウィンチがほとんど
チェーンブロック→チェーンで巻き上げ・現在でも手動式が多く出回っている
かなりシンプルですが、これが違いで、
電動チェーンブロックと電動ウィンチの違いは巻き上げがワイヤーかチェーンかの違いです。
以上のこれらの中で製造現場などで用いられる一番シンプルなマテハン道具がチェーンブロックで、
重たい鉄やステンレスのワークを作業台に乗せたり持ち上げたりするのに活躍しています。