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プレス機械の「トン数」
今回は「プレス機械のトン数」で世界的に見たときに最大級の機械をご紹介します。
世界にはいったい何トンまでのプレス機が存在するのか。
その最大級のプレス機はどんな形をしてるのか。
それらをご紹介していきます。
プレス機械のトン数=そのプレスが加圧できる能力
となってます。
1Ton=1000kg=10kNなどとそれぞれの単位で表したりもしますが、基本的にプレス機械の加圧力は”トン(ton)”で表記されてることがほとんどです。
それでは世界的に最大級と言えるプレス機械を見ていきましょう。
4本柱型プレス機で世界最大級の斗山重工業1万7000トンプレス
2017年に慶尚南道昌原市の斗山重工業が独自に開発した1万7000トンのプレスの竣工式を行いました。
高さ:29M 幅:9M
成人男性24万人が同時に押すのと同じ加圧能力でプレス加工が可能です。
8万トン(中型車5万台分)の鍛造品を生産する能力があります。
この工場は鍛造の工場で、インゴット(鋳鉄の塊みたいなもの)を加熱。
加熱したものをプレス機械で加圧して形状を変化させ加工するという用途で使用されます。
この世界でも最大級のプレス機導入に伴い、斗山重工業は鍛造工場の規模を34%拡大し、現在は「7万3748平方メートル」となっています。
斗山重工業(とさんじゅうこうぎょう)は、韓国の斗山グループ(財閥)に属する総合重工業企業である。 発電設備やプラント設備、インフラ設備、大規模輸送機器の部品、港湾クレーン装置、などの生産を手がける。 売上高の殆どを海外から受注する企業でもある。日本でも原子力事業は有名で、加圧水型原子炉の技術を持つ。 出典:Wikipedia
◆4本柱プレスでは最大の1万7000トン
◆韓国の斗山重工業が保有
◆高さ29メートルの超巨大設備
日本電産の4500トンプレス
2016年に日本電産シンポ(Nidec)がガスタンプ・オートモシオンから受注した世界最大級の「加圧能力4500トン」のサーボプレス機です。
このサーボプレスは高張力鋼板加工に適応するため、1台のプレス機でありながら2つのスライドと3つのアップライトにより、多行程トランスファープレスでの偏荷重の問題を解決します。
使用されているサーボモーターも独自開発のソフトウェアで制御。
9メガワット出力が可能になり高い精度が出ます。
高張力鋼板とは合金成分を人工的に加えて一般的な鋼材よりも強度を増した鋼材のことです。
日本国内では「ハイテン」とも呼ばれています。
自動車部品にも使用されていて、一般的な鋼材を使用するよりも薄肉化できるため、
部品の軽量化に役立つメリットがあります。
ゲシュタンプ社は、鋼板を加熱した状態でプレス加工してから急激に冷やすことで、軽くて強度が高い鋼板を生む技術「ホットスタンプ」に強みを持つ。この鋼板は超高張力鋼と呼ばれ、車の骨格部材に使われる。出典:Wikipadia
世界最大級4万トンのプレスライン㈱日坂製作所
株式会社日阪製作所が保有する4万トンのプレスラインも加圧能力の面で「最大」といってもいいでしょう。
・成形プレス
・割れ検出装置
・搬送装置
で構成されている自動化プレスラインです。
LNGプラントなどで使用される世界最大級のスーパージャンボプレートをはじめ、
大型チタンプレートの生産に使用されています。
各種産業機械の製造販売をおこなう。中でもプレート式熱交換器と染色機械におけるシェアは国内首位に位置する。また食品や医薬品など生活産業機器の強化もはかっている。
その他ボールバルブでも高いシェアを誇り、各種条件をクリアし、性能にすぐれている。
長年にわたり大阪府東大阪市に鴻池事業所を置いているが、2008年3月に淀川工場と統合された。
出典:Wikipedia
◆自動化プレスラインで最大級の4万トン
◆プレート式熱交換器で有名な日坂製作所が保有している
◆このほかにも2万トン自動プレスラインや
連続真空炉などの面白い設備が多い
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は「プレス機械のトン数」で世界的に見たときに最大級の機械を紹介しました。
プレス機械の形状によって最大の加圧能力も違いますが、どれも大きかったですね。
驚いたのは小型・中型プレスと形状や機構はほとんど大きな違いが無かったという点です。
このレベルの巨大プレス機は維持費だけでも莫大にかかってくると思うので。