この記事では、3軸加工機と比較した時の5軸加工機での芯出し時間の短縮について噛み砕いて解説していきます。この記事を読めば「芯出しとはそもそも何なのか」「なぜ芯だし時間が早くなるのか」について初心者でもカンタンに理解できます。
可能な限りわかりやすく解説するのでいっしょに見ていきましょう!
コンテンツ
そもそも工作機械の「芯出し」とは?
カンタンにひとことで言うと、”工作機械で今から加工するワークの中心の位置を決める”ことを「芯出し」と言います。
5軸加工機をはじめとする工作機械はAIのように自ら加工物の形状や刃物から加工物の距離を把握して加工しているわけではありません。
作業をする人がプログラミングをし、その通りの動きで機械的に作動するだけです。
なので、芯(加工物の中心の位置)がズレていると基準となる穴もズレたり、決められた位置を加工しているのに刃物が干渉したりしてしまい、加工の精度が落ち、最悪の場合は機械が破損してしまうこともあります。
ワークを作業スペースにセットして芯だしがしっかり行われていないと、そもそも製品が不良品になってしまい、コスト面でも時間の面でもマイナスなデメリットだらけになってしまいます。
工作機械の芯出しはどうやってやるの?
このようなタッチセンサーをスピンドルに取り付けて、ワークをタッチ。
センサーにより形状が測定され、機械がワークの形やワークまでの距離を認識するんです。
回転する部分のことやで!
↑タッチセンサーでワークを計測しているところ(株式会社ミツトヨ)
このようにケース付きのものやフライス用、把握する径に合わせて様々なタイプがあります。
また、X,Y軸の位置だけを測定するタイプと、内径や外径、段差に円など、多彩に測定できるタイプもありますよ。
この芯出しバーを使って芯だしを行っていくわけなのですが・・・
そうなんです。芯出しはハイパーめんどくさいんです。
さらに芯出しを少しでも間違えたりずれたりしてしまうと、さっきも書いたようにワークがおじゃんになってしまいます。
とはいえ芯出しはマシニングや各加工機には必須の工程。ではどうすれば・・・?
5軸加工機なら芯出し時間を短縮できる
3軸加工機と5軸加工機の違いは軸の違いだけではもちろんありません。
加工完了までの時間がちがいます。
例えば四角い面の立方体のワークを加工する時、3軸だとある1面を加工した後にワークの向きを変える必要が出てくるケースが多いです。
その点5軸だとそのまま別の面の加工に移ることができ、段取り(芯出し)をする必要がなくなります。
■加工途中でのマシニングの加工カバーやドアの開け閉め
■加工途中でワークのチャッキングを「よっこいしょ」とはずす
■加工途中でワークの向きを変える
■芯出し(測定)をする。
■うまく芯が出なかったときのやり直し
これらの所要時間およそ40~60分!
まあ逆にこれだけのことをやる時間が3軸だと出てきてしまう。ということになりますよね。
基本的に加工に「人」が介在すると完成までの時間は長くなってしまうというデータもありますので、気を付けたいですね。
参考文献
5軸加工機のメリット(オークマ)
5軸加工機での省人化に関してはこちら↓
このオークマの文献では、3軸加工機だと51時間かかる同じ作業が5軸加工機なら24時間で完了するデータがでていて、
加工自体の時間も短くなっているのですが、特に段取り・芯出しの時間がカットされているのがわかります。
今回の5軸加工機メリット記事は「加工時間の短縮」がテーマなのですが、
一般的に加工機は一連の連続した動作でさいごまで加工することで面品位もアップしますので、いいこと尽くしなんです。
厳しいな!!w
でもかんたんに説明できないとお客様にも伝わりづらいもんな。
精進しますwww
ー悠ー