この記事では、5軸加工機のメリットその③「製造現場の人手不足を解消?」について可能な限りわかりやすく解説していきます。
この記事を読めば「製造現場での人手不足の裏側」「NC制御の5軸加工機がその現場でどのように活躍できるのか?」についてわかります。
ジブンあんまりわかってないんやろ!
無責任な解説やったら承知せえへんぞ!!
皆さんにちゃんと説明せえ!!
機械化、ロボット化が進んでる昨今ですが、機械化が進む=人手不足解消に100%つながるかといえばそうでもないんです。
そこだけ知りたいという方はこの記事の【5軸加工機で省人化することにより本当の意味での人手不足を解決できるのか?】の項を参照して下さいね!
はよ解説せんかい!!!
コンテンツ
そもそも「なんで」製造現場は人手不足なのか?
5軸加工機の優位性を語る前に、そもそもなぜ製造業は人手不足なのか。これについて説明します。
原因としてはおもに
■製造現場の熟練工の高齢化
■若者の製造業離れ
このふたつが挙げられるでしょう。
日本は全体的に高齢化社会ですし、アメリカでは工作機械や部品加工を扱う労働者の実に75パーセントが45歳以上でです。
社会全体の高齢化が進むのと同時進行で若者の製造業離れも叫ばれていますね。
このように、先日開催されていたJIMTOFでもあれだけ「省人化」「Iot化」がPRされており、人手が余ってしまう印象を受けます。
しかし、実際の現場はむしろその逆です。
時流が5軸加工機へ流れていく、加工を依頼する市場の変化
少子高齢化も影響して製造現場で起きる人手不足。そんな時に5軸加工機の導入でどんなメリットがあるのか。
まずなによりのメリットは「熟練加工をマシンが再現してくれる点」です。
また、作業の主体者が人からマシンになるため、疲労などの人的要因を無視してガツガツ生産ができるのも最大のメリットです。
これで省人化すりゃ深刻な人手不足も一気にかいけつや~!
そうもカンタンにはいかへんのよなあ~
ただそうじゃない場合もあるんです・・・
次で紹介します。
5軸加工機で省人化することにより本当の意味での人手不足を解決できるのか?
5軸加工機やマシニングセンタを導入するメリットは様々で、上記のようなメリットもあり人手不足もいっきに解消!というふうに思えるかもしれません。しかし、場合によってはそうじゃないケースもあるため、注意が必要なんです。
【おもな注意点】
■5軸加工機がイチからぜんぶやってくれるわけではない
■それなりに昔の技術も応用として必要
■作業者が解放された時間で”何をするか”がだいじ
気を付けるポイントはこの三つです。
まず5軸加工機がすべての工程をイチからすべて実施してくれるわけではありません。
ワークを機械にセットするのはもちろん作業者の仕事です。
しかも、機械加工のワークは片手でポン!と置けるようなものじゃないことがほとんどですよね。
自動でマシンが加工するために原点、芯出しをする必要もあります。
その際に全くの初心者やNC装置の知識しかない作業者だと時間がかかるのはもちろん、最悪の場合、加工する位置がずれてワーク自体が不良品になってしまうことだってあります。
そして、機械化によって手の空いた作業者がなにもせず立っていても変わりません。
その時間で生産性を高めるために何をするのかが大切になってきます。
様々な形状の加工を行っている工場では次の加工の準備、
同じ形の加工を量産している工場では他の機械のセッティングなどをするなど、省人化によりできた余力で他の作業をすることになります。
上記の注意点すべてに共通して言えることは、
結局のところ作業者の「熟練度」が必要になってくるということです。
まとめ~5軸加工機で人手不足は解消できるが、省人化したぶん人が動ける環境が大切~
■熟練の加工を機械がやってくれる
■面品位がよく仕上がる
■機械化したぶん、作業者は他のことができる
■機械がやってくれない部分(段取り変え・芯出しなど)は作業者(人)がスムーズに行える
■できた空き時間を有効に活用できるノウハウがある
このような感じになります。
結局のところ人の介在は必須になりますので、そのマンパワーが熟練者だとよりメリットが大きくなる。
というイメージでしょうか。
逆にいうと熟練者が全くいない状態で「ノウハウは無いけどめっちゃ動ける若手作業員」を大量に採用して5軸加工機を導入しても、生産性の大幅にアップには直結しないことが分かります。
条件付きとはいえ、ノウハウが必要かつ時間のかかる芯出しなどの段取り段階での作業が3軸加工機よりも5軸加工機のほうが少なく、メリットは十分にあるといえますね。
加工をプログラミングで制御できるようになった今も、そもそもの加工技術があってこそ活きてくるようです。
ここのバランス感覚で大きく生産性も、今後のモノづくりも大きく変わっていく時代ですね!
ただただ時短につなげる省人化だけではうまくいかんのかもしれへんなぁ~!
またお会いしましょう。
ー悠ー