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直立ボール盤とは
まずそもそも直立ボール盤とはどんな機械か?についてです。
直立ボール盤とは、13mm~50mmほどの穴あけが可能な垂直に主軸が上下するボール盤です。
丸型or角型のテーブルにワークを固定し、穴あけ加工をします。
各種ボール盤の中でも比較的大きなワークを乗せる前提で作られているため、
基本的に背の高い機種が多く、だいたい2200~2300mmぐらいの高さで
大きいものだと寸法的には2600mmぐらいの高さがあるものもあり、機械重量も1トン近くになってきます。
テーブルの寸法も丸テーブルの場合だとだいたい500~600Φくらいのサイズ感が一般的です。
直立ボール盤でできること
・ドリル(穴あけ)
・タップ(ネジ立て)
一般的な直立ボール盤はドリルとタッピング兼用で使用できます。
切り替えレバーを回してドリル、タッピングを選択します。
他のボール盤との違い
・大きめのワークを加工する用途
直立ボール盤は穴あけ加工のなかでも比較的大きめのワークを想定しているため、
振りが500~600mm前後のものが多いです。
小型のサイズでも40mm~の穴あけができるものが多くテーブルも大きいため卓上ボール盤とは違い大きなワークを加工可能です。
・タップができる
直立ボール盤はほとんどの機種でタッピングと兼用で使用できます。
タッピングの場合はリミットスイッチで主軸が下限に来ると逆転する仕組みになっています。
・自動切削が可能
卓上ボール盤でも自動切削できるものはありますが、
直立ボール盤はほとんどの機種でレバーを倒すと自動的に切削してくれる自動送り機能もついてます。
もちろん、手動送りレバーもついてます。
・主軸の回転数を変速できる
直立ボール盤は側面に付いている切り替えレバーで主軸の回転数を変速できます。
直立ボール盤のメーカー
森精機(吉田鉄工所)
森精機は現在DMG MORIとして工作機械を製作するメーカーです。
1986年に当時ボール盤などに定評のあった吉田鉄工所に資本参加し、全従業員が森精機へ移籍しました。
いま中古市場で出回っているYD2-55などの汎用機はメーカー名の部分のみ森精機と吉田鉄工所の二種類ありますが、機械本体の内容は同じです。
キラコーポレーション(キラ)
現在では卓上ボール盤やタッピング盤がメインで直立ボール盤は製造していませんが、中古市場にはキラ製の直立ボール盤が出回っています。
紀和(紀和マシナリー)
現在はマシニングセンタをメインにしている紀和も有名です。
自動車、航空宇宙分野で活躍するマシニングセンタを製作しています。
中古市場の直立ボール盤は?
中古市場で出回っている直立ボール盤は1970年式~1980年式がボリュームラインで、たまにキラ製の90年式のものも出回っています。
メーカー別にみると中古では吉田鐵工製が圧倒的に多く、その当時どれだけ売れていたのかが良く分かります。