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サーボプレスとは
出典:アマダ サーボプレス
クランク・リンクモーションはもちろん、ナックルや多段・振子モーション・パルスモーションなど、加工用途ごとに最適なモーション・ストロークの条件設定ができる優れものです。
機能やモーションを詳しく知りたい方は下の記事も読んでみてください!
サーボプレスの特徴・メリット
このサーボ制御によってプレスの加圧位置、スピード、加圧力を任意に変更できます。
さまざまなモーション(プレス加工する際のスライドの動き)から加工に最適なモーションを選択できます。
複雑形状の金型でプレスする際は、プレス作業のスピードを遅く設定して丁寧に加工する必要がありましたが、
サーボモーターでスピードを自在に変えることができるため、加圧している時だけゆっくりと動かすことができます。
単純な構造の製品にはオーバースペックですが、
複雑形状&量産の場合はサーボプレス導入のメリットはかなりあると言えます。
・サーボモーターで回転を制御しているのがサーボプレス
・加圧位置、加圧力、加圧スピードを任意に設定可能
・単純なモーター駆動のトルクではなく多種類のモーションでのプレス加工が可能
・加圧していないタイミングの動きが高速化できるため作業が時短に
・ワーク素材にあわせた加圧が可能なため品位がアップし不良品もなくなる
油圧プレスとは
出典:JAM油圧プレス
油圧プレスとは、液圧式でプレス加工をする構造をもったもののうち、圧縮された油の力でスライドを上下させて加圧する種類のことです。
油圧プレスの製造メーカーではJAM(日本オートマチック)が有名で3~10トンクラスの油圧プレスが市場では人気です。
油圧プレスのメリット・特徴
油圧プレス機の特徴は、ストロークの長さと加工速度です。
リミットを上下させて圧力がかかる範囲を指定できるので、深絞り加工に適しています。
ただ、サーボプレスと違ってストロークスピードの変更ができないため、生産スピードの点だけで見ると油圧プレスは劣ります。
逆に割れやすいワークなどのようにストロークスピードを必要とせず、じわっと加圧したいときや圧入などの加工には油圧プレスのメリットは大きいです。
また、ボリュームを回すことで加圧力を自由に変更できるので、
ベアリングを圧入して製造する工場でも活躍しています。
・小型の機構でも大きな出力(パワー)を得られる
・歯車を変速に使用しない(油圧で調整する)ので無段変速が可能
・過負荷防止がかんたん(安全面)
サーボプレスと油圧プレスの違い
【構造】
サーボモーターで駆動するのがサーボプレス
油圧で駆動するのが油圧プレス
【サイクルタイム】
サーボプレスは加圧時以外のスピードが速いため、サイクルタイムが速い
油圧プレスはじわっとスライドが下りるため、サイクルタイムが遅い
【ストロークスピード】
サーボプレス→任意に変更が可能
油圧プレス→一定
【加圧能力】
サーボプレス→任意に変更可能
油圧プレス→任意に変更可能
【向いている加工対象】
サーボプレス→複雑で量産のワーク
油圧プレス→精密な深絞り・ベアリングの圧入など
まとめ
今回はサーボプレスと油圧プレスそれぞれの特徴や違いについて解説しました。
どちらも精度が求められる加工に対応した製造業を支えるロングセラーの機械ですが、
それぞれ向き不向きやメリットデメリットがあるので、用途に合った選び方の参考にして頂ければと思います。