今回はブラザー工業株式会社から今期新しく発売された複合加工機SPEEDIOシリーズの新製品、SPEEDIO M200X3とM300X3について紹介していきます。
それぞれの独自の特徴を順番に紹介します。
コンテンツ
ブラザーの複合加工機M200X3とM300X3
出典:ブラザー工業株式会社
旋回軸と回転軸を備え、旋削加工とマシニング加工を
ワンチャッキングで行う小型複合加工機
加工対象ワーク拡大モデルと省人化装置対応可能モデルが登場
出典:ブラザー工業株式会社
今回新しく登場したのは複合加工機のM200X3とM300X3。
この型式の200と300のそれぞれの数字は「x軸のストローク」を表しています。
M200X3とM300X3は既存のブラザー製の複合加工機、M140X1とM140X2の後継機として発売されました。
以前のM140X1とM140X2の140はテーブルサイズが型式に使われていたのに対し、
今回のM200X3とM300X3はX軸のストロークが型式になっています。
■新機種M200X3とM300X3はM140X1とM140X2の後継機
■M140X1、M140X2→テーブルサイズが名前に入ってる
M200X3、M300X3→X軸ストロークが名前に入ってる
M200X3とM300X3共通の特徴
続いて、M200X3とM300X3の共通の特徴を解説します。
加工能力の向上
出典:ブラザー工業
M200X3とM300X3共通の特徴として、
前機種のM140X2からA軸とC軸のクランプトルクが向上している点があります。
(C軸クランプトルク)
機種 | クランプトルク(N・m) |
---|---|
M140X2 | 180 |
M200X3 | 345 【1.9倍↑】 |
M300X3 | 450 【2.5倍↑】 |
(A軸クランプトルク)
機種 | クランプトルク(N・m) |
---|---|
M140X2 | 400 |
M200X3 | 507【1.25倍】 |
M300X3 | 507【1.25倍】 |
※使用条件などによって変わる場合もあります
加工能力が軒並み上がっていますので、シンプルに生産性がアップします。
量産型複合加工で一台で旋盤+マシニングセンタの役割
M200X3とM300X3ならこれまで旋盤で旋削加工をしてからマシニング加工と分けて加工していたものが
一台で可能になります。
工程集約により人が関わる人為的なミスがなくなります
さらに2台の工作機械を1台にできるため、省スペースになり、その分ワークを置いたり他の機械を据えつけて別の加工を進めることもできます。
特に大阪の製造現場は手狭で機械を置く場所に困っている方が多く、さらにほかの加工もやろうと思えばできるためトータルで見てお得になります
つぎの項で説明します。
M200X3は専用アンローダーロボットと組み合わせて省人化できる
M200X3は同じく新製品のアンローダー、BV7-870を組み込むことができる仕様になっています。
出典:ブラザー工業株式会社
このアンローディングシステムによって、面倒なワークの着脱を自動で行ってくれるので省人化が可能です。
しかもこのアンローダー、
・M200X3本体の側面にコンパクト設置
・複合加工機本体の制御盤にアンローダーのコントローラー内蔵
なので、かなりの省スペースにもなります。
M300X3はテーブルサイズが大きくなり加工対象ワーク拡大
M300X3に関してはテーブルサイズがΦ140→Φ170に拡大されているので、加工できる範囲が大きくなりました。
それによって治具範囲も拡大し、加工できるワークが大きくなりました。
この加工エリアの拡大は使用したユーザーから多く要望が出ているようです。
フライホイル・モーターケース・バルブプレートなどの大物鉄系ワークが加工可能に。
もともとM140X2のときはアルミ製品の小さな加工がメインだったため、用途が拡大されています。
まとめ
今回はブラザー工業から新しく発売されたM200X3とM300X3について解説しました。
加工能力の向上で生産性が向上したり省人化、加工エリアの拡大など多くのメリットがあります。
ローディングシステムはスピーディオ専用なのでもしロボットアームの置き場に困っている方がいれば導入の価値ありかもしれません。