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総合機械商社に内定をもらってる就活生さんから【商社不要論】について質問を頂きました
そこで今回は就活生の方向けという形でざっくりと所感を解説していこうと思います。
じっさい頂いた質問メッセージは以下です。
就活生です。
昨今商社不要論が世を騒がせていますが、これからIT技術の進歩によってメーカーとユーザーの間での直販の流れが加速する、という意見をよく目にします。実際に機械業界で働かれている悠さんはこの商社不要論は数十年後に現実となるとお考えでしょうか?
大手総合機械商社の内定を受諾するか辞退するかとても悩んでいます。
ぜひ悠さんのお考えをお聞かせください。
とのこと。
この方は就活で某機械商社に内定が出ていますが、昨今よく聞く商社不要論が気になり将来的に(数十年後)考えてどうするか迷っているという内容でした。
さすがに数十年先のことはわからないのでドンピシャな正解はわかりませんが、今回はこの質問者さんの内容に沿って「商社不要論」「じっさいの機械商社はどうなのか?」この部分について機械商社の目線でまとめまてみます。
そもそも商社不要論とは
商社不要論とは、ザックリ言うとこれまで何度となく唱えられていた「仲介マージンを抜くだけの業者(商社)は必要ない!BtoBにおいてなんのメリットも生み出さない!」という説のことを指します。
例えば高度経済成長期を経て1980年代、自動車メーカーや家電メーカーは独自のパイプを活かし、商社を通さずに原材料調達を独自にスタートしました。
そして1990年代、IT技術の進歩によって製造者・販売者・消費者がかんたんに直接取引できるようになったため「商社不要論」はより盛んに言われるようになりました。
ただ単純にモノやサービスを右から左へ横流しするだけの業者は転売屋だ!というように「ほんとうの商社としての役割を果たさない商社」も数多く存在し、叩かれていました。
そうじゃなくて「役に立つ良い商社」もいるんですけどね。
IT技術の進歩についていける機械商社も多々あります
この質問者さんの不安のひとつは上記のように「ITの進歩でダイレクトに繋がれる時代だから商社の機能が要らなくなるんじゃ・・・」といったものかと思います。
たしかに、商社の役割を果たさずに仲介しかしない商社は淘汰されていくとは思います。
しかし、商材が機械の場合、メーカー側がすべて網羅できない顧客に精通している「商社マン」が「顧客のメリットになる提案」をすれば商社の存在意義も出てきます。
特に工作機械や産業用機器の場合、機種によって用途やスペックが様々です。
製造現場の需要に合った設備機械の選定やそれによるメリットが提案できれば、顧客それぞれの現状や保有設備・課題に詳しい商社マンは重宝されるでしょう。
また、「商社不要論」で要らないと言われているような業態(やり方)は
旧態依然とした古い体質のイメージがありますよね?
たしかに機械商社と聞くとそういった「昔ながらの」「既得権益」という言葉を連想されがちですが、
そうじゃない大手機械商社も多々あります。
メーカーと共同で新製品のバーチャル展示会なんかもやっている商社もあります。
とくに補助金関連は毎年ルールが変わっていくのでオンラインで講師を招いて開催する方法は人気です。
このように、ひとくちに商社と言ってもITリテラシーの差があるので、このような若い世代の考え方を取り入れた風通しの良い会社であれば、入社してみるのもありかな、と個人的には思います。
工作機械の性質上、営業活動を「完全なる省人化」にするのは難しい
また、扱う商材が「機械」なので「商社不要論」にはあてはまらない部分もあります。
たしかに新品のメーカー機械の卸売りの場合、営業をリモートワーク(遠隔)で行うところも増えています。
仕様の確認やオプションの有無なんかはリモートで打ち合わせも可能かと思います。
しかし、機械装置は物理的に大きく重量物であることがほとんどなので、据え付け時の搬入経路や固定の方法なんかも工場によって様々です。
そこを完全に直販で統一してしまうのは難しい側面もあるのかな、というのが現状の機械商社目線での感想です。
さらにその機械に付随する「付帯設備」なんかも提案の必要があるので、省人化が難しい。
「メーカーさんにそこまでさせるのは難しい」という部分はすこし出てくるのでサポート役が必要な場合もあります。
就活で入社するならこういう機械商社がおすすめ
質問者さんが入社すべきかどうかはさすがに個人の決断なのでなにも言えませんが、
前述のことを踏まえて、もうひとつ機械商社に入社するかの判断基準となる材料があるとすれば、
「機械以外の商材・分野でも力を持っているか」だと思います。
機械商社といっても取り扱いが「機械・工具のみ」なわけではありません。
例えば某大手機械商社では自社で家具家電製品を開発・製造し各家電量販店などに卸している、メーカー的な方法を取っている企業もあります。
また、某機械商社では機械だけでなく建設機械に強い商社もあります。
商社によってバリエーションがあるので、そういった側面もあわせて入社するかどうかの判断基準にすればわかりやすいと思います。
↓ちなみに機械商社のお仕事内容についてはこちらでまとめています↓
商社不要論でも機械商社に就職しても良いのか?(回答)
就活生です。
昨今商社不要論が世を騒がせていますが、これからIT技術の進歩によってメーカーとユーザーの間での直販の流れが加速する、という意見をよく目にします。実際に機械業界で働かれている悠さんはこの商社不要論は数十年後に現実となるとお考えでしょうか?
大手総合機械商社の内定を受諾するか辞退するかとても悩んでいます。
ぜひ悠さんのお考えをお聞かせください。
さて、この質問に対する答えですが、正直なところ「入社する商社による」というのが僕の見解です(曖昧ですみません)
質問者さんのように「数十年後」と考える場合はたしかに内定が出ても迷ってしまいますね、定年まで働く心づもりならなおさら色んな側面から機械商社を分析してみるのが良いと思います。
たしかに大手機械メーカーもユーザー直販を開始したりと、ITの進歩に伴って昔から商社は多様化を迫られてる時期が定期的にあったのを聞いています。
あと新卒で就職する方にとって「機械商社」は営業の勉強にはもってこいの現場と感じることが多いです。
商社だとさまざまなメーカーの中から提案することになるので。
なので以下のポイントを踏まえて考えてみてはいかがでしょうか↓
〇プラスアルファの提案ができそうか
〇ITリテラシーの高い企業なのか
〇若い考えも場合によって尊重してくれる風通しの良い商社か
〇その商社独自の特徴があり差別化できているか
僕の場合は中古機械分野の商社ということもあり、卸売り業でもありますがすこしここで出てくる「大手の機械商社」ではないためあくまで同業界内での別の場所からの視点にはなってしまいますが、参考までに。