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建設機械メーカーの世界市場でのシェアランキング【トップ12社】
今回は建設機械、略して建機を製造しているメーカーの世界市場でのシェア、上位12メーカーを一覧にて解説します。
建設機械とは油圧ショベルやブルドーザー、クレーン、フォークリフトなどの建設を支える機械や特殊車両で、世界市場でのシェアを見ると日本国内の企業も多数活躍しています。
市場規模も年々拡大しているので今後の動きに注目の業界です。
まずはこちらの世界市場シェアランキングをご覧ください
1.キャタピラー(CAT)→25%
2.コマツ→11%
3.ディア→5%
4.日立建機→4%
5.ボルボ→4%
6.リープヘル→4%
7.三一重工→4%
8.斗山インフラコア→3%
9.テレックス→2%
10.徐工集団→2%
11.中連重科→2%
12.CNHインダストリアル→1%
上記、2018年の建機メーカーシェアランキングです。
売上高ではないのでご注意ください。
キャタピラー(CAT)建機世界シェア25%
出典:キャタピラー
世界市場において一位のシェアを誇る建機メーカーです。
2018年度は世界で25%のシェア率でした。
油圧ショベル、ホイールローダー、ブルドーザーなどほとんどの建機を扱うメーカーで、建設機械本体だけでなくエンジンや発電機まで建機に関連する多くの商品があります。
国内では「日本キャタピラー」という名称で東京に本社があり、各都道府県にも幅広く営業所があります。
建機のレンタルや中古車の販売も実施し、建機のアタッチメント部品やワークツール部品も多彩です。
出典:日本キャタピラー
↑油圧ショベルにアタッチメントとして取り付けが可能な「小割破砕機」。
コンクリートや廃材の破砕作業に使われるワークツールです。
他にも様々な種類があるので詳しくは公式の日本キャタピラーをご覧ください。
小松製作所小松製作所
当ブログではおなじみの「コマツ」がなんと二強入りしています。
工作機械の分野では「コマツ産機」という名前でプレスやベンダーマシンが有名なコマツですが、
建設機械がメインと言っても過言ではありません。
建設機械の取り扱いは「小松製作所」という名称で実施しています。
コンポーネント(エンジンや車軸)の自社開発にこだわりを持っており、機種ごとに最適なものを組み込む体制が取られています。
出典:コマツ
↑小松製作所の自走式破砕機「ガラパゴス」コンクリートや瓦礫を圧縮破砕して自走する車両。
破砕したガラを埋め戻し材・路盤材として再利用ができます。
ディア・アンド・カンパニー
ディア・アンド・カンパニー(英語: Deere & Company)は、アメリカ合衆国イリノイ州モリーン市(アイオワ州ダベンポート郊外)に本社を置く農業機械、および建設機械のメーカー。1837年に創設。 世界最大の農業機械メーカーである。出典:Wikipedia
農機の世界最大手メーカーのディアが3位です。2017年の総資産は657億8600万ドル、売上高は297億3800万ドル。
もともと農機で有名でそのノウハウも多く持っているメーカーですが、2017年に建設関連に強いヴィルトゲンを買収し、建設機械の事業、ノウハウを吸収し売上額が上昇しました。
アメリカのイリノイ州に本社を置き、日本国内ではヤンマーが輸入販売を請け負いしています。
特に創業者の名前を冠したジョン・ディア(John Deere)シリーズが人気です。
出典:ヤンマー
日立建機
出典:日立建機
日立グループの国内建機メーカーがランキング入りしました。
中型の油圧ショベルカーをクボタ、ディア・アンド・カンパニーにOEM供受給していることも有名で今年メーカー70周年をむかえます。
もともと日立製作所が手掛けていた建設機械の製造の部分を分社化したメーカーで、
2019年4月にKCMを吸収合併しています。
出典:日立建機
↑超大型ショベル EX5500
ボルボ建設機械
↑
ボルボ(VOLVO)社のブロックハンドリングホイールローダ。
L150H,L180H,L220H,L350Hの能力ラインナップがあり用途によって選定する。
私もこの建機メーカーの記事を書くまでは正直、乗用車のメーカーとしてのボルボしか知りませんでした。
ボルボ建設機械(Volvo Construction Equipment )は、スウェーデンを本拠地とするボルボグループの8部門中の建設機械を製造する部門である。日本においてはボルボトラックス、ボルボペンタの各事業部門とともに国内のボルボグループ事業を総括して日本ボルボが事業を展開していたが日産ディーゼル工業に吸収合併され、さらに社名変更や合併をへて現在はUDトラックス(旧ボルボグループジャパン)が事業を展開している。Wikipedia
建設機械業界ではボルボは有名らしく、上位建機メーカーを世界シェアで追い上げています。
そのシェア率は日立建機・リープヘルと並んで4%となっています。
上記のホイールローダーだけでなく油圧ショベル、ダンプトラックなど、建設機械の主役がそろっており、売り上げも好調です。
↑
強力な建機のひとつ、A40G(アーティキュレートダンプトラック)。
高い燃料効率と運搬性能は世界中でシェアを伸ばしています。
リープヘル
リープヘル(Liebherr)とは、ドイツの建設機械メーカーを母体とした企業体である。 リープヘルグループ(Liebherr Group)は、スイスのリープヘルインターナショナルを持ち株会社とし、グループ企業は完全な同族経営である。世界12ヵ国に生産販売・サービス拠点を置き、グループの従業員数は3万3,000人に達する。中心となるリープヘル社は、ハンス・リープヘルによって1949年に創業され、本拠地をヴュルテンベルク州ビーベラハ・アン・デア・リス(単にビーベラハ、またはビベラッハ、ビーベラッハとも:Biberach an der Riß)に置く。出典:Wikipedia
こちらも日立建機・ボルボと並んでの世界シェア率4%の有名な建設機械メーカーです。
タワークレーン(工事中のビルの上に立ってるキリンみたいなクレーン)の製造からこのメーカーはスタートしました。
その他、油圧ショベルやコンクリート事業、工作機械・オートメーション化システム(ロボット等)、航空システムも手掛けるマルチな建機メーカーと言えるでしょう。
三一重工建機世界シェア率4%
出典:三一重工
三一重工も世界シェア率4%でランキング入りです。
中国の建機メーカーで売上・シェア率ともに伸ばしています。
2020年4月25日の財経新聞WEBサイトにこんな記事が載っていたので紹介しておきます。
→財経新聞「中国・三一重工、キャタピラーとコマツに「アフターコロナ」で挑む」
工作機械の製造よりも大型になる建設機械メーカーの製造工程ではやはりコストも時間もかかるのが常。
そのため混流生産によって効率アップをはかっているとのこと。
斗山インフラコア 建機世界シェア率3%
斗山インフラコア(とさん)が世界シェア3%で8位のランキングに。
ここへきて初めて韓国の建機メーカーが入ってきました。
株式会社斗山(とさん・ドゥサン・トゥサン、Doosan)は、韓国の重工業を中心とした企業グループである。日本語での読み方で正式名称は「とさん」である。 1896年に漢城の商業地区(現在の鍾路4街)で、繊維貿易商だった朴承稷(パク・スンジク)が朝鮮でも最初期の近代的商店を開いたことが始まりであり、韓国の財閥の中でも古い歴史を持つ。出典:Wikipedia
テレックス 建機世界シェア率2%
アメリカのコネティカット州に本社を置く「テレックス」が建設機械メーカーランキングに入りました。
もともとはGM(General Motoes)の建設機械部門だったこのメーカー、近年は企業買収によって取り扱い製品数を大幅に増やし、急成長しています。
徐工集団 建機世界シェア率2%
中国の建機メーカーです。
建設機械部門が独立しており、本社:江蘇省徐州市)が4月30日に発表した2019年(1~12月)業績によると、売上高は前年比33.2%増の591億7500万元と世界中で売上シェア共にのばしてきています。
中連重科 建機世界シェア率2%
中聯重科(ちゅうれんじゅうか)は、中国の建設機械・重機械大手メーカー。
1992年創立です。
2008年イタリアのCIFA社の株式買収後、世界最大のコンクリート機械メーカーになりました。
CNHインダストリアル 建機世界シェア率1%
CNHインダストリアル(英語: CNH Industrial N.V.)は、産業機械や商用車の製造・販売を手がける多国籍企業です。
オランダで法人登記が行われ、イギリス・ロンドンに本社を置きます。
アニェッリ家の投資会社であるイタリアのエクソールが筆頭株主です。
まとめ
今回は主要な建設機械メーカーの中でも、世界シェア率で上位12社を一覧で紹介しました。
普段このブログで紹介している工作機械メーカーと比較して、上位の複数社にシェアが集中している印象を持ちましたが、建機のラインナップ的に、複数のメーカーでの得意分野での住み分けが難しい業界という特色がみられます。
こんかい紹介した主要メーカー以外の世界の建機メーカーはこちらにも国別で記載されてますので、
参考にしてみてください→世界の建機メーカー(国別一覧)世界の建機メーカー(国別一覧)
また、中国をはじめとしたアジア圏のメーカーがシェアを伸ばしてきている印象でしたので、今後動きに注目です。
それでは今回はこのへんで。