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ベンディングとは
ベンディングとは、曲げ加工のことで、
カンタンに言うと鉄板などに圧力をかけて金型で挟んで曲げることをベンディングと言います。
また、余談になりますがギターの演奏法でも「ベンディング」という呼び名は使われます。
チョーキング(英: bending)とは弦を弾いた後に押弦している指で弦を引っ張り、無段階に音の高さを変えるギターの演奏技法である。ただし、英語表現では「(弦を)曲げる」という意味でベンディングと呼ばれ、「絞める」という意味のチョーキングという言葉は使われない。この言葉が用いられるのは日本のみである。 出典:weblio辞書
ここでのベンディングは金属板金加工においてのベンディングなので、
主に鉄板を任意の角度や形状に「曲げる」加工のことを言います。
ベンディング(曲げ加工)の種類
「ベンディング(曲げ加工)」にはいろいろな種類があります。
完成形の曲げ形状・金型の形状によって種類分けされています。
出典:ケービック
V曲げ
文字通りVの字に曲げる加工です。
出典:ケービック
L曲げ
L字に鉄板を曲げる加工です。
鉄板の片方を押さえた状態で、そこからもう片方を押さえて曲げるため押さえ曲げとも言います。
出典:ケービック
ヘミング曲げ
鉄板の端を180°折り返し、平らにつぶす曲げ加工。
このヘミング曲げを施すと鉄板の折り返し部分が二重になるので製品の強度がアップします。
出典:ケービック
R曲げ
鉄板が横から見てRを描いている形状の曲げ加工です。
この曲げ加工に一般的に使用される機械がベンディングマシンです。
別名ベンダー、ブレーキプレスなどと呼ばれるこの機械の特徴を次で解説します。
ベンディングマシン(ベンダー・ブレーキプレス)とは
ベンディングマシン(別名ベンダー・ブレーキプレス)とは、上で解説した曲げ加工を行うために作られた機械で、
口開きの部分にプレスと同じように金型を取付け、加圧してワークを曲げ加工します。
金型はメーカーによって様々ですがベンディングマシン用の金型を加工したい角度によって選定し取付けます。
↑ベンディングマシン本体とブレーキ金型のあいだに中間板を入れて止めます。
最近では上のようにワンタッチ式のものが多く取り外しがスムーズになっています。
メーカーによって中間板の形状は異なるので、
基本的にはベンディングマシンのメーカーによって専用の中間板を使用します。
しかし、他社メーカーの中間板を流用できるようにしているメーカーもあります。
他社の中間板に柔軟に対応することで機械本体を他社メーカーからスムーズに入れ替えられるメリットがあります。
ベンディングマシンの種類
2020年現在では市場に出回ってるベンディングマシンの種類は大きくわけてACサーボベンダーと油圧ベンダー、
その両方の特徴を併せ持つACサーボ制御の油圧ベンダーの3種類です。
メカ式のクランクベンダーという種類も昔は多く出回っていましたが現在ではあまり見かけなくなりました。
(注意)ロールベンダーとは違います
「ベンディングマシン」というと鉄板をロール状に曲げる「ロールベンダー」のことを言うこともあります。
ワークを曲げる点は同じですが、機械の形状や機構が全く違うので注意が必要です。
ACサーボベンダー
出典:コマツ産機
サーボベンダー=ACサーボモーターの駆動で動くベンダー
・ACサーボモーターを採用し主な駆動源としているベンダー
・サーボモーターがボールスクリューを動かし、ラムを駆動させる構造が特徴
・油圧式ではなく電気で駆動する
・油圧系統がベンダーに組み込まれていないためそこに関してはメンテナンスの手間と費用がかからない
・モーターが直接ボールスクリューを動かすためエネルギー効率が良い(と言われている)
油圧ベンダー
出典:コマツ産機
駆動の動力に油圧シリンダーを使用しているベンダーです。
油圧によって上下し、加工速度や加圧力も調整が可能。
汎用性が高く、多くのメーカーがこの油圧式のベンダーを生産しており、現在では主流の構造です。
ACサーボモーター制御の油圧ベンダー
出典:コマツ産機
ベンディングマシンの種類のなかでも最新のものになります。
ラムの上下は油圧シリンダーによって駆動しますが、その油圧シリンダーをサーボモーターで制御している仕様のベンディングマシンです。
↑ACサーボモーター制御の油圧ベンダー、コマツ産機のPVSというシリーズの動画です。
まとめ
さて今回は鉄やアルミ、ステンなどのワークを金型で挟んで曲げる「ベンディングマシン」について解説しました。
ベンダーにも機構によって種類分けがされていますので、用途に合わせて選定してみましょう。
精密で細かい薄板材の曲げならACサーボモーターのみのベンダー、厚物を曲げる際は油圧で加工していることが多いです。
また最近ではベンダー用の光線式安全機も進化してきてますので、昔よりも格段に作業がしやすくなってます。
ベンディングマシン用の安全機に関しては下記もご覧ください↓