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VSモーターの原理・構造
VSモーターとは、インバータ式モーターがなかった時代の技術です。
交流モータの可変速には当時としては多用されていて人気でした。
原理はいたって簡単 電磁石の原理でカップリングを作ります
元のモータは定格回転で、この電磁カップリングの励磁する力を利用して出力軸に力を加えるものです
【励磁電源とは】
軸出力を調節する為のVSコントローラの電源のことです
これが無ければVSモーターの回転数が調整できません
VSモーターの特徴とは
”VSモータ”は安川電機の製品及び商標です。
使用にはVSコントローラとVSオペレータを使用します
当時としては交流モータの無段階可変速ができる機械式クラッチ機構じゃないタイプなのでカップリング(軸継手)の磨耗や発熱がないです。
【カップリング(軸継手)とは】
機械の軸と軸を連結し、2軸の取付誤差(ミスアライメント)などを吸収して動力を駆動側から従動側へ正確に伝える機械要素部品のことです。
なぜなら、負荷が軽すぎるとつれ回りをしてしまうからです。
注意:VSモーターは現在生産中止
安川電機は現在VSモーターを生産中止しているので要注意です。
理由としては現在インバーター制御式のモーターが主流になっているからです。
しかし現在使用されている機械のVSモーターの修理は場合によっては可能です。
機械修理.com←こちらで事例がありました。
こちらではVSモーターの分解・ベアリング交換・組み立てなどを実施してくれます。
VSモーターを使用しているけど故障した場合、基本的には新しい機械に買い替えた方が良いのですが、どうしてもという場合は相談してみると良いかもしれません。
個人的意見ですが、業界でもVSモーターをメンテできたりするのはかなり珍しいと思います。
VSモーターの特徴まとめ
・VSモーターは安川電機の商品
・現在はインバーターが主流になったためVSモーターは生産中止になっている
・励磁電源によって軸出力(モーター回転数)を上下調整できる
・高速回転の制御には不向き
・経年劣化への修理メンテ対応が必要になってくる
今回はモーターの一種であるVSモーターについて解説しました。
僕自身、中古機械商社で中古のプレス機械を引き取ってくる中で、何台かはこのVSモーターを見かけたことがあります。
ただ先ほどの通り生産中止になっているため替えが効かないので、機械自体を商品として売買するというよりもスクラップとして処理してしまうことの方が多いです。
VSモーターのオーバーホールができる業者さんは全国的に年々減ってきています。
それでは、今回はこのへんで!