回転数(rpm)を上げたり下げたりするインバーター。
最近では家庭で親しまれてる電化製品にも搭載されています。
今回はそんな「インバーター」の原理や特徴についてお届けします。
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モーターの回転を制御する「インバーター」とは?
インバーターとは「モーターの回転数を制御する装置」のことです。
モーターを任意の回転数に上げ下げし「仕事量の調整」をしたり、
必要以上に回転しないように制御し、省エネやCO2削減をするためのものです。
モーターの回転数(rpm)を変えるにはモーターに伝える周波数(Hz)を変えて制御します。
逆に周波数の値が低くなればモーターの回転数は遅くなります。
ちなみにモーターの回転数は「rpm」と表記します。
プレス機械やその他工業機械などのインバーターでは
「rpm」と「spm」の2種類の呼び方があります。
モーターの[rpm][spm]について違いや特徴を詳しく知りたい方は
こちらもあわせて読んでみてください。
プレス機のインバーター
こちらが、プレス機械の操作盤についている「インバーター」です。
[SPM調整]と書かれたボリュームがありますね。
このつまみをひねって回転数を調整できるようになっています。
↑こちらが拡大図です。上側のメーターを見てください。
0~170まで数字がふられていますが、下のボリュームを回すと、
この範囲でモーター回転数を自在に変更(制御)できるということです。
インバーターでモーターのSPMを自由に変えられる仕組み
自由に回転数を変えられるん?
インバータの中身の電力変換回路は、⑴整流回路、⑵中間回路、⑶逆変換回路の3種類から構成されています。
インバータは、交流電圧を整流回路で直流電圧に変換します。その変換した直流電圧を直流中間回路で平らにならします。
そして、そのならされた直流電圧を逆変換回路で任意の交流電圧・周波数に変換しモータに調整するのです。
直流電圧に変換した電圧をインバーターのボリュームに対応した周波数で出力して、回転数を変化させてるってことです!
凸凹の砂場をスコップで平らにして、そこに自分の好きな高さの砂山を作るのといっしょです!
公園の砂は一定の量ですが、平らにしてから高さを考えて山を作れば、自分の思った高さの砂山が作れる。
このようにして、インバーターは周波数の制御をすることでモーターの回転数(spm)を任意の数値に調整することができるのです。
インバーターで回転数(spm)を変更できるメリット3つ
省エネ
「省エネ」!!!
モーターの回転数(spm)を調整できることで、省エネ効果が期待できます。
モーターの回転が一定の場合、他の部分での調整が必要になるため、
モーターの初期設定がムダに高回転になります。
空気を送り出すファンなどは風量をモーターで調整できない場合は風の出口を小さくしたり、
大きくしたりして風量を調整します。
必要な回転数で無理なく運転できるっちゅうことか。
ソフトスタート・ソフトストップが可能
インバーターは低い回転数から上がっていきます。
なので、回転をゆっくり上げたいときや、逆にゆっくり止めたいときに適しています。
速度変化の多いベルトコンベヤなどで急に止まった時に起きる、荷くずれ防止に役立ちます。
また、始動時の電流を抑えることで電源側の負担が減り、受電設備を小さくできます。
もっと身近なところで言うと
「ひとが乗ったらうごきはじめるエスカレーター」なんかもこのインバーターで
回転を徐々に上げています。
回転方向が自在である
インバーターは信号入力によって自在に回転方向を変化させることができます。
工作機械なんかでいうと、急に逆転してワークにがっちりかち込んでしまい、修理が必要になったりというリスクが防げます。
その他にも細かなメリットは数多くありますが、
主なインバーターで回転(spm)を制御するメリットはざっとこんな感じです。