こんにちは!
各地で断続的に日本を縦断する台風の影響が続いていますが皆様、いかがお過ごしでしょうか。
前回は機械の重量運搬について解説しましたが、
こちらの記事の後編になります。
前回の記事では
機械屋で売れた機械が実際に据え付け先の工場へ行くまでの下準備「現場下見」について
書かせて頂きました。
機械屋のリアルが少しでも伝われば幸いです。
今回の記事では
下見が終わったらやること4つ
①機械の積み込み
②機械の降ろし
③据え付け(レベル出しetc)
④試運転
について説明していきます。
コンテンツ
【機械の据え付け】下見が終わったらやること4つ
①機械の積み込み
画像出典:菱井工業
機械屋で売約された機械を出荷するために重量屋のトラックやユニック車へ積み込みしていきます。
機械屋にはほとんどの場合、上の写真のような機械を吊り上げる天井クレーンが設営されています。
積み込みのタイミングには
・宵積み(搬入時間が早朝~の場合、前日に機械を重量屋のクルマに積み込みしておき次の日に現場で現地集合する)
・通常積み込み(当日に店に来てもらい積み込みをしてから一緒に出発する)
の2パターンがあります。
http://www.hishiikougyou.co.jp/products.html
トラックを店の倉庫の入り口にバックで入れてクレーンで吊った機械をそこへ積み込むのですが、しっかりと専用の締め器やワイヤーで固定します。
重量屋にすべてまるっきりお任せの機械屋もなかにはありますが、
よく使う締め器やロープは「重量屋に頼むまででもない小さめの機械」を自分たちで配達する用に常備しているのが一般的です。
②機械の降ろし
機械を重量屋が現場まで運搬し、前回記事の「下見」どおりにユニックのスペースを考えて降ろします。
基本的には重量屋の職人さんに任せますが、機械の降ろし~引き込むまでがスムーズに進むようにサポートします。
【サポート】
・降ろし位置を確認して障害物に当たらないか見る
・滑らせて機械を引き込むときに人手が足りなければ押す
・細かな置き場所などの工場長や搬入先責任者の支持を伝える
参考までに主なクレーン・ユニック車のスペック表を下記に引用して掲載しておきます。
中型トラック架装用 |【GVW8〜15tクラス】
ユニッククレーン
製品シリーズ | 型式 | ブーム 段数 |
空車時最大 クレーン容量 |
最大 作業半径 |
最大 地上揚程 |
アウトリガ 最大張出幅 |
架装対象車 GVW |
---|---|---|---|---|---|---|---|
G370 | G376 | 6段 | 2.93t × 2.4m |
14.42m | 約16.2m | 4.2m | 8〜15t クラス ※1 |
G375 | 5段 | 2.93t × 2.4m |
12.11m | 約14.0m | 4.2m | 8〜15t クラス |
|
G374 | 4段 | 2.93t × 2.6m |
9.81m | 約11.7m | 4.2m | 8〜15t クラス |
|
G373 | 3段 | 2.93t × 2.7m |
7.51m | 約9.5m | 4.2m | 8〜15t クラス |
G340 | G346 | 6段 | 2.93t × 2.4m |
14.42m | 約16.2m | 3.52m | 8〜15t クラス ※1 |
G345 | 5段 | 2.93t × 2.4m |
12.11m | 約14.0m | 3.52m | 8〜15t クラス |
|
G344 | 4段 | 2.93t × 2.6m |
9.81m | 約11.7m | 3.52m | 8〜15t クラス |
|
G343 | 3段 | 2.93t × 2.6m |
7.51m | 約9.5m | 3.52m | 8〜15t クラス |
G500S | G504S | 4段 | 2.93t × 3.6m |
10.60m | 約12.7m | 3.9m | 11〜15t クラス |
G503S | 3段 | 2.93t × 3.6m |
8.10m | 約10.2m | 3.9m | 11〜15t クラス |
※1 ホイールベース4.2m以上
※出典:古川ユニック株式会社HP(http://www.furukawaunic.co.jp/products_cat/unic-crane/)
③据え付け(レベル出し)
所定の位置に機械を置いた後は機械屋の仕事です。
上のような「水平器」という道具を使って「機械のレベル出し」を行います。
~レベル出しとは~
基本的に工作機機械(板金機械)はボルトで機械を工場の床へ固定できる構造になっています。
全体を6本のレベリングボルトで支えている場合、
その6本のうちの角の4つのボルトを締めたり緩めたりして高さと作業面の角度を調整します。
ボルトをある程度締めている(または緩めている)状態で水平器を見ながら、表示されている傾きを確認して機械を水平に限りなく近づけていく作業、これが機械のレベル出しです。
このレベルが出ていない状態で機械加工を行ってしまうと製品に不具合が現れたり、負荷がおかしなところに掛かり続けて最悪の場合機械が壊れてしまう場合があります。
④試運転
工作機械のレベル出しが終わったら、電気屋さんに電気をつないでもらっていよいよ試運転です。
出荷前に何度か動かしている機械をユーザーの方に向けて「動きの確認」をします。
「同じメーカーの似たモデルの機械をずっと使ってたから使い方はわかるよ」
という方から、
「なにもかも初めてでイチから説明してほしいです!」
という方まで様々なので、実際に使う人の習熟度を聞いてから説明し、ユーザー様に実際に動かしてもらいます。
動かしてもらいながら、ついでに定期メンテの方法や各部の名称・役割なんかを説明してあげると親切ですね。
特にオイル交換は交換時期・オイルの種類・注文する際にはどこへ問い合わせるのか?といった質問が多い印象なのでそこらへんをクリアにして完了です。
また機械を売ったら売りっぱなしではなく、不具合が起こったり起きる前に対応しますとお伝えして現場をあとにするとお客様にも安心されて良いのかなと感じます。
それでは。