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機械屋目線で語る【AMADAサーボプレス】導入のデメリットは?
【新機能がもりだくさんで便利すぎる?】
②加工種別モーション選択機能
③エコモニター(消費電力・CO2排出量表示)
④スライドモーション線図の表示、角度表示
⑤スライド始動位置任意設定可能(上死点・作業原点)
⑥手動バルサ移動量選択可能(0.01mm・0.1mm)
⑦プログラム記憶容量100、生産管理機能、金型管理機能、保全管理機能
⑧荷重管理機能・SMAPS・バーコードリーダー・・・・。
いきなりですが、これらはアマダサーボプレスSDEシリーズに搭載されているコントローラー(加工するところの横についてる操作BOX)でできることの一覧です。
ざっと挙げるだけでもこれだけの機能が付随してきます。
しかもこれらがプレス右側にあるサーボコントローラーという一つのBOXに詰め込まれています。
今回はリリース以来、不動の人気を誇るアマダサーボプレスSDEシリーズの「デメリット」を敢えて挙げてみたいと思います。
実際に私が触った時に感じた素直な感想は、NC旋盤やマシニング、複合加工機なんかの制御に比べて「わかりやすい」「見やすい」「直観的に操作ができる」といったポジティブなものです。
各モーションの選択も荷重の波形線イメージ図が液晶パネルに表示され、見ただけで実施したいモーションを選択でき非常にスムーズな操作が可能になっています。
しかしそれは作業者が若く、普段からスマホやPC、タブレット端末などの液晶パネルに慣れ親しんでいる人の場合に限ります。
いわずもがなものづくりに携わる板金系のプレス熟練者は高齢の方々も多く「アナログな感覚」やいわゆる
「メカ的な直感」は工場でも常に頼りにされ信頼されてきました。
ただサーボプレスは従来のエアクラッチ式のクランクプレスとは操作が異なり、より「デジタル的」になっています。
そうなるとまずはタッチパネルというフォーマットに慣れることからのスタートになってしまい、
各機能の有効活用も難しくなってきます。
これはサーボコントローラーの配置デザインや機能が悪いわけではありません。
これがマシニングや複合加工機でバンバン多軸加工を行っている工場なら、そのようなデメリットは起きにくいと思います。
NC制御が前提として機械加工をしている工場が多く、NC用の講習や勉強を会社側でも自然と受けさせているからです。
しかしプレス系の工場となるとそのような講習を受講した経験がある職人さんが比較的少ないため、せっかく盛りだくさんの機能が宝の持ち腐れになってしまう可能性もあります。
【サーボプレス・モーション作成ソフトSMAPS】
ジャニーズの国民的アイドルグループのようなネーミングのこのソフト、
アマダサーボプレスのモーションプログラムの外段取り化を実現したアマダ独自の「PCソフトウェア」です。
工場の機械の前で操作BOXを触るのではなく、事務所など離れた場所でモーションデータの作成や生産性の算出を行います。
もちろん、PCでの操作が必須になります。
【とはいえ、そんなことも言っていられない?】
結果から言うと電動サーボプレスは、従来のクランクプレスとは「もはや別物」という認識にした方が良いかと思います。
デジタル化が進んだからといって加工時に「熟練の勘」なるものはあるに越したことはないですし、加工種類に合ったモーションをプログラムする際にも結局根本的なプレス加工の知識は必要になってきます。
むしろ詳細な加工選択、一から作り出す自由度がサーボプレスによって高くなった分だけ、その熟練の経験値が活きてくると言えるのではないでしょうか。
つまり「サーボプレスのデメリット」なるものは平たく言えば
「ほぼ無い」というのが感想です。