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工作機械メーカー売上ランキング【最新版】
この記事では工作機械メーカーの2017年~2018年(現状最新版)の売上高のランキングを掲載しています。
マシニングセンタ、ロボットなど日本の製造産業を支える工作機械メーカーを一覧で紹介します!
1位 ファナック株式会社(FANUC)
堂々の第一位。黄色のカンパニーカラーでお馴染みのFA(NC制御装置)、ロボット、マシニングセンタがメインの工作機械メーカーです。
CNCではFANUC iSeriesが有名どころのこのメーカー、また、工場で使用されている他社製の制御装置でファナックのサーボモーターを制御できるインターフェース「FANUC Digital Servo Adapter-MODEL B」も、サーボモーターの載せ替えに柔軟に対応できる点が多くの人々に評価されています。
出典:ファナック
↑ファナックのロボドリル。主軸30番の小型で高速な工作機械メーカーとしても有名。
本社は山梨県忍野村。売上高7265億円
2位 株式会社 マキタ (makita)
出典:株式会社 マキタ (makita)
第二位は電動工具の総合商社で圧倒的なシェアを誇る株式会社マキタがランキング入り。一種類のバッテリーで様々な種類の電動工具が使えるので個人的にもおすすめ。国116ヵ所と非常に営業所も多く、対応が速いのも特徴。売上高4772億円。
出典:マキタ
↑リチウムイオン電池式の電動工具も人気。インパクトレンチ、リベッタ、スクリュードライバなどがラインナップ。
【2020年5月5日追記】
2019年度売上高:4906億円
過去三年間の売上変化率は118.21%と現段階では、年々業績が伸びています。
出典:Makita
その他にも扇風機(工場用ファン)など、比較的小型の装置系統が充実しています。
3位 安川電機
出典:安川電機
第三位は株式会社 安川電機。ロボットの他、モーターのメーカーとしても有名。コンピューターで制御されたサーボモーター、モーターの変速をするインバーター装置などに特化したメーカー。売上高4485億円。
安川電機はかつてVSモーターというモーターを開発・発売したことでも知られています。
現在は販売していませんが、VSモーターについて詳しくは下記にまとめてあります。
【2020年5月追記】
より最新の売上高も安川電機 会社概要安川電機 会社概要にてかくにんできます。
◆連結4110億円
(内訳)
モーションコントロール43%(1779億円)
ロボット37%(1522億円)
システムエンジニアリング14%(581億円)
その他6%(228億円)
4位 DMG森精機
出典:DMG森精機
愛知県名古屋に本社を置く。5軸加工機・マシニングセンタ・ターニングセンタを中心に、切削・工作機械メーカーの代表格。
モータをタレット内部に組み込んだ業界初のビルトイン構造を採用し、発熱や振動を抑制、伝達効率を向上させることで加工精度と切削力を高めている。
最近では阿部寛の主演ドラマ「下町ロケット」のスポンサーにもなっており、ドラマ撮影時の工作機械や工場の貸し出しなどもしている。
売上高4296億円。
5位 アマダ(AMADA)
出典:アマダ(AMADA)
ファイバーレーザー加工機・プレス機械・ブレーキなどをメインに扱う。
”板金加工機械のアマダ”と呼ばれるほど板金系マシンの代表的なメーカー。
業界でも赤黒のカラーリングでお馴染みでアマダのサーボプレスも有名です。
さいきんではプレス機械の付帯装置メーカーである「オリイメック」を吸収し、「アマダオリイ」と社名を冠しレベラーフィーダや送り装置のメーカーとしても販売・サービス事業を拡大しています。
【以下2020年5月追記】
現在はアマダオリイから「㈱アマダプレスシステム」へと社名が変更されています。
下記に㈱アマダプレスシステム㈱アマダプレスシステムからのお知らせを掲載しておきます。
2020年4月1日
弊社は、2020年4月1日付で社名を「株式会社アマダオリイ」から「株式会社 アマダプレスシステム」 に変更
いたしましたのでお知らせいたします。
また、このたびの社名変更と合わせ、当社のWEBサイトをリニューアルいたしました。
なお、当社の事業内容につきましては変更はございません。主な会社概要は以下のとおりです。■ 会社概要
株式会社 アマダプレスシステム
(英語表記: AMADA PRESS SYSTEM CO.,LTD.)本社:神奈川県伊勢原市石田200
富士宮事業所:静岡県富士宮市北山7020
伊勢原鈴川事業所:神奈川県伊勢原市鈴川6
川口事業所:埼玉県川口市上青木西1-17-24
取締役会長:坂木 雅治
代表取締役社長:堀江 喜美雄
事業内容: プレス加工機械、自動化装置、ばね成形機などの開発、製造、販売、サービス
資本金: 1,491 百万円
従業員: アマダプレスシステム単体:390名、アマダプレスシステムグループ計:556名■ 本件に関するお問い合わせ先
株式会社アマダプレスシステム
企画室
TEL: 0463-96-3321(代表)
プレス機械について詳細は下記にまとめています↓
レベラーフィーダ・プレス付帯システム関連はプレスシステム、溶接機・溶接ロボットなら㈱アマダウェルドテック・・・のように、おなじ「アマダ」グループでも部門ごとに分かれているのでご注意を。
6位 THK株式会社
出典:THK株式会社
6位は工作機械・ロボットに組み込まれるボールねじ、リニアモータ・電動アクチュエーターなど機械の重要な駆動部分を製造しているこのメーカー。工作機械・製造業界で働いてる人ならTHKのロゴを見たことがある人は多いはず。特に有名なのが直線運動案内(Linear Motion Guide – 略してLMガイド)」として世界で初めて製品化したこと。このLMガイドはさまざまなマザーマシンに組み込まれて高精度化に一役買っている。
7位 株式会社不二越(NACHI)
東京に本社を置く切削工具・ロボット・ベアリング・油圧ユニット・工作機械などかなり幅広いラインナップが特徴のメーカー。中でも[NACHI]と書かれたロボットを目にする機会は多い。売上高の半分ほどが海外向けでの売り上げ。売上高2374億円。
8位 コマツ(KOMATSU)
出典:コマツ(KOMATSU)
8位はコマツ(KOMATSU)。アマダ同様、板金機械がつよい機械メーカー。特にプレスはACサーボプレスや小型~大型まで種類が多く多彩。
そのほかレーザー加工機やプラズマ加工機などもラインナップ。その他サーモモジュール・温度制御機器や工作機械なども作っているがプレス程メジャーではない。昨年の売上高は1841億円。
9位 オークマ株式会社(OKUMA)
複合加工機・5軸加工機・マシニングセンタを主流に取り扱う「工作機械の王道メーカー」。
中でも大型の門型マシニングセンタは人気で5面加工が得意、付随するソフトウェアも充実している。
機械の熱変異を正確に察知して修正する「サーモフレンドリーコンセプト」は他の工作機械メーカーにはない独自のシステム。
加工物は「機械周囲の温度変化」「機械から発生する熱」「加工で発生する熱」により、その加工精度が大きく変化する。
「サーモフレンドリーコンセプト」によってワークの寸法精度や工具の補正回数も削減でき、精度・コストともに貢献する。
売上高1821億円。
↑また、加工機械の加工室内で動くロボットやマシニングセンタと同様にティーチングできる次世代ロボットも生産している。
10位 牧野フライス製作所
10位はフライス盤でお馴染みの工作機械メーカー、牧野フライス。
その他に横型、立型マシニングセンタも生産。
工作機械以外ではグラファイト加工機・細穴放電加工機・NCワイヤ放電加工機なども幅広く手掛ける。
また1970年代から工作機械の自動化に取り組んでおり、マシニングセンタ、制御装置、搬送車、ロボット、コンベア、運用ソフトウェアなど多くの実績を持っている。売上高1815億円。
11位 日本製鋼所(JSW)
主に火力発電所や原子力発電所などで必要となるタービンの軸材に用いられる鍛鋼部材を製造し、世界中の発電所に提供している鋼メーカーです(上の画像)
機械の製造メーカーとしても有名で、産業機械事業部ではコンパウンティング用押出機(プラスチック原材料の付加価値を高めるために用いる二軸混練押出機)や型締力30トン~000トンの超大型機まで幅広いラインナップがある射出成型機のメーカーでもあります。
東京に本社を置く。売上高は1702億円。
12位 株式会社ディスコ
出典:株式会社ディスコ
取り扱い機械はダイシングソー・レーザーソー・ポリッシャ・ウェーハマウンタ・ダイセパレータ・サーフェースプレーナ・ウォータージェットソーなど。
この工作機械メーカーランキングの中では競合メーカーがあまりない。
中でもシリコン・ガラス・セラミックなどを高精度に切断するダイシングソーが人気↓
出典:株式会社ディスコ
ディスコ製の「半自動ダイシングソー」
正直、この記事を書くために調べるまでこのメーカーは恥ずかしながら知りませんでした・・・。
13位 ジェイテクト
売上高1615億円で13位にランキング入り。
自動車部品のメーカーとしても知られているが、工作機械部門では研削盤・マシニングセンタ・ギヤスカイビングセンタなども製造している工作機械メーカー。
主に自動車・農業機械・建設機械部品に使用される機会をメインに扱っている。
出典:ジェイテクト
また最近ではパワーアシストスーツ事業も展開↑
各地でデモや実証実験も実施している。
14位 ブラザー工業(brother)
14位は1272億円でブラザーがランクイン。
brotherといえばミシンやプリンタのメーカーと認識してる人も多いだろうが、工作機械メーカーでもある。
中でも30番のマシニングセンタ「SPEEDIO」が人気で大きなワークをコンパクトな機械で加工できると評判。
また、カラオケシステムの事業も展開しており、かなり他ジャンルのメーカーともいえる。
名古屋に本社を置き各地に営業所・グループ企業を持つ。
2019年秋冬にブラザー工業の新機種「M200X3」「M300X3」が発売されました。
新機種の「M200X3」「M300X3」について詳細は下記をご覧ください↓
15位 オーエスジー(OSG)
タップ・ドリル・エンドミルなど切削工具のメーカー。
世界33ヶ国に製造・販売拠点を配置するグローバルな企業で本社は愛知県豊川市。
最近では新製品の「アクティブ・マニュファクチュアリング用エンドミル」を発表し話題となる。
アクティブ・マニュファクチュアリングとは従来の材料を削る加工とは違って、3Dプリンタのように材料を添加・積載していく工法のこと。
3Dデータと連携することでコストや納期を押さえられる。OSG アクティブ・マニュファクチュアリング用工具カタログ
16位 東芝機械(TOSHIBA)
↑東芝機械 マシニングセンタBM-U 高精度な5軸加工が可能に。
電化製品でもなじみのある「東芝」も工作機械メーカー売り上げランキングに入っています。
取り扱いは射出成型機・ダイカストマシン・押出成型機・産業用ロボット・マシニングセンタなど。
レトロフィット事業(新品で買った機械が古くなってシステムやNCが刷新されて使えなくなったときにNCのみを新しいタイプに載せ替えたりオーバーホールで長期間使用できるようにすること)にも力を入れており、個人的には満足度が高くおすすめのメーカー。売上高1168億円。
また、最近では金属の3D積層造形機も注力しており、このメーカーの「次世代型産業用3Dプリンタ技術開発」は経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けた事業にもなっています。
金属3D積層造形機「ZKシリーズ」は,原料に金属粉末を用いる指向性エネルギー堆積(Directed Energy Deposition:DED)方式で付加製造を実現することが可能な装置です。【東芝機械】金属3D積層造形機掲載ページ
17位 三井ハイテック
研削盤・研磨機のメーカーとしては有名で代表格。
金型や精密部品のメーカーとしても有名なので、その高性能な部品のノウハウが工作機械にも応用されている。
本社は北九州市。売上高787億円。
18位 アイダエンジニアリング(AIDA)
アイダといえば板金プレスが有名なメーカーです。
汎用のサーボプレス・高速プレス・冷間鍛造プレスなどを幅広くラインナップ。
19位 ソディック
横浜市に本社を置く堀り・ワイヤ放電加工機、金属3Dプリンタ、射出成型機の総合メーカー。
中でも放電加工機は世界シェアでも上位に入っているほどの人気。
生産拠点は日本・タイ・中国。
20位 シチズンマシナリー
出典:シチズンマシナリー
時計のブランドとしても有名なCITIZEN。CNC自動旋盤のメーカーとして20位にランキング入りしている。
1970年に世界ではじめてCNC自動旋盤として生まれたシチズンの時計部品製造を源流にもつシンコムシリーズが有名。
その他マシン以外でもネットワーク技術を駆使したトータルソリューションを提供している。
※以下、2019年11月追記
21位株式会社ツガミ
CNC旋盤、ターニングセンタ、マシニングセンタを中心に製造する工作機械メーカーで設立1937年と老舗です。
中でもCNC精密自動旋盤のB0128W/B0208Wシリーズは同時に3系統制御することで独立した各刃物台で数種類の加工が可能になっていたり、背面側Y軸によって付加価値の高いワークの加工を可能にしたりと売り上げ高も順調です。
ツガミ CNC精密自動旋盤
22位旭ダイヤモンド工業株式会社
二輪車や自動車、船舶用エンジンのカム・クランクシャフトなどの研磨に使用する研削工具や、
ホイールの研磨に使用する円形のドレッサが有名です。
他にも歯車を研削するドレッサや、歯車形状をしたギヤドレッサも製造しています。
↑歯車研削用のドレッサ
23位スター精密株式会社
出典:スター精密株式会社
スター精密株式会社は静岡県に本社を置く工作機械メーカーです。
工作機械メーカーとしてのランキングでは23位ですが、スター精密は小型プリンタのメーカーとしても広く知られています。
工作機械部門では複合加工機のスイス型自動旋盤のシリーズが人気です。
まとめ
今回は工作機械メーカーランキングを一覧で紹介しました。
今後もまた随時更新していきますので参考にしてもらえれば幸いです。