ツールプリセッタの用途ごとの種類や特徴、取り扱いメーカーなどの情報をまとめているので
これさえ読めばツールプリセッタについてだいたいのことがわかります。
この記事とあわせて読むとわかりやすいです↓
コンテンツ
ツールプリセッタとは
出典:エヌティーツール株式会社
⑴工作機械・マシニングセンタの機外で工具の径や形状を測定する測定機器です
⑵測定した工具のデータを工作機械・マシニングセンタへ転送します
⑶機上での測定の必要がなくなり、安心で時間の短縮になります
本来ツールプリセッタがない場合、マシニングなどの機械上で計測、検査を実施するため、手間がかかるうえに機上の測定は危険です。
そんな手間やリスクをなくすために、ツールプリセッタを使用します。
一般的にはツールプリセッタをマシニングの隣に設置して使い、工具類のセットは人の手で行います。
ツールプリセッタの種類
次にツールプリセッタの種類です。
ツールプリセッタの種類は大きくわけて三種類、
非接触カメラタイプ・非接触投影機タイプ・接触タイプの三つです。
非接触カメラタイプ→価格:高 性能:高
非接触投影機タイプ→価格:中 性能:中
接触タイプ→価格:低 性能:中
価格の違いやメリットデメリットがそれぞれあります
非接触カメラタイプのツールプリセッタ
カメラで工具を映し出すツールプリセッタです。
ツールプリセッタ側の光源で刃物を照らし、その影がCMOSカメラで読み込まれモニターに映されます。
タッチプローブなどで接触するタイプとは違って工具に直接触れないものを「非接触タイプ」と呼んだりします。
画像処理によってX・Y軸の値を同時検知できるのが特徴です。
非接触カメラタイプのメリット
・X・Y軸の値を同時に検知可能
・誰にでも安定して高精度な測定ができる(個人差が出ない)
・非接触なので刃先に当たって破損する心配なし
非接触投影機タイプのツールプリセッタ
出典:エヌティーツール株式会社
刃物の影を投影するXとZの各軸クロスヘアに合わせて刃物の径・高さの数値を読みます。
光源はハロゲンランプ。
非接触投影機タイプのデメリット
・投影機なので投影側もしくはワーク側がずれていたり、見る角度が変わってしまうと個人差が出てしまう
・精密測定には不向き
接触タイプのツールプリセッタ
出典:モノタロウ
上記の2種類が非接触式なのに対し、測定器が工具に接触するタイプのツールプリセッタです。
光源は無く、直接刃物の外径に測定端子をあてて計測します。
刃物径・高さの数値を図ることができますが、角度は測れません。
接触タイプのメリット
・使い方がシンプルで分かりやすい
・直接触れるので数値が正確
・ダイヤルゲージの合わせ方で個人差が出てしまう
・鋭利な刃先の工具は測定端子が当たって割れてしまう可能性がある
ここらへんはデメリットと言えるでしょう。
主なツールプリセッタ販売メーカー
ツールプリセッタがどんなものなのかわかったし興味はあるけど、どこのメーカーから購入すればいいかわからない、そんな方はこちらをご覧ください。
ツールプリセッタを取り扱っているメーカーは国内のメーカーも多いですが海外メーカーの機械が国内で幅広く使用されている点も特徴です。
共立精機株式会社
→ツールプリセッタのほか、チャックをはじめとした保持工具(ツーリング)、球面加工機も取り扱っている有名なメーカーです。
エヌティーツール株式会社
→ハイドロチャックで有名なメーカー。完全自社開発の光学式ツールプリセッタ「Aegis-i」シリーズが人気です。
日本I.Dシステム
→他の国内メーカーはツールなどがメイン商材ですがこちらは比較的、ツールプリセッタがメインのメーカーになります。
ビッグダイショウワ
→高精度なツールプリセッタ、STPエッセンティアシリーズが有名。
ケルヒ社(KELCH)
→ドイツのメーカー。日本国内でも現場での稼働率は高いです。
まとめ
NT TOOL社製の「イージスアイ シリーズ SOTP」という非接触カメラタイプのツールプリセッタです。
X軸、Z軸の調整→測定、フェイスミルカッターのツールプリセッタでの実際の調整の動画を見るとわかりやすいですね。
今回は、工作機械・マシニングセンタの機上での工具測定を行う機械「ツールプリセッタ」について解説しました。
機上での煩わしい作業がなくなり時間短縮も可能なツールプリセッタを利用していない方は参考にしてみてください。