今回は工作機械業界の市場動向についての記事です。
今年2019年はなんといっても米中貿易摩擦の影響が大きく、国内外どちらも工作機械の売上が下降線を辿っています。
また、欧州でもイギリスのEU離脱問題の影響は見逃せないレベルになり市場動向は冷え込んでいます。
そんな2019年の工作機械に関する国内需要・国外需要・市場の動向を追っていきます。
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工作機械市場動向(2019年)
まず今年の初め、1月の時点で、
日本工作機械工業会は2019年の工作機械の受注額見通しを1兆6000億円としていました。
これは前年比12%ダウンとかなり控えめな数字です。
今期に入ってその控えめな策定もクリアできるか瀬戸際になりつつあります。
去年2018年の後半、10月ごろから工作機械の受注額は下降していて、2019年はさらに景況が厳しくなることが各所で言われてきました。
実際に、2019年に入ってから月間1300億円を超えたのは3月の1306億円だけです。
特にわかりやすく売上の降下が市場に現れたのは、2019年7月~10月でこの期間は4カ月連続で月間1000億円を下回ってしまいました。
■今年の工作機械の受注額見通しは1兆6000億円だった
■去年2018年の後半、10月ごろから工作機械の受注額は下降
■月間1300億円を超えたのは3月の1306億円のみと振るわず
直近2019年11月の工作機械受注額速報
出典:日本工作機械工業会
こちらは日本工作機械工業会が発表した直近の2019年11月の工作機械受注額速報です。
受注総額は817憶円で、そのうち内需が310憶円、外需が503憶円となっています。
今年12月の工作機械受注額着地は1月に発表されますのでまだ確定はしていませんが、今年の市場動向は落ち込んでいることがわかります。
海外向けの工作機械市場動向
厳しい景況感となった2019年、海外向けの売上も例外ではありません。
国内工作機械メーカーの海外向け受注率も各国、軒並みに下がっています。
2019年10月の数値を例に挙げると、工作機械の受注総額が874憶5300万円。
このうち内需は334憶2300万円で、内需だけ見ると前月比27%減、前年同月比ではなんと42%減となります。
海外向け需要は540憶3000万円で前月比は2.1%増で2カ月連続でプラスになっていて一見景況感は良くなっているかに見えますが、前年同月比に関しては34%減となります。
内需と比較すると若干、市場動向の冷え込みは緩やかですが、去年との差は大きいです。
外需をエリアごとに見ていくと、
アジアは210憶円(前年同月比32.9%減↓)
中国は119憶円、欧州は110憶円(前年同月比47.8%減↓)
北米は186憶円(前年同月比29.8%)で3カ月連続の200憶円割れです。
内需、外需ともに今年の工作機械の市場動向は下降し、納期も全体的に去年より早くなっています。
まとめ
今年2019年の工作機械業界の市場動向は昨年と比較して下り坂となっています。
もともと、市場規模が大きいマーケットではあるので、パーセンテージで見ると多少の推移に見えますが大きな額の差が出ています。
今後の市場動向に注目するとともに、新たな情報が更新されればこちらの記事でもアップデートしていきます。
それでは今回はこのへんで。