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光線式安全機とは
出典:理研オプテック
プレス機械に使用する光線式安全機とは、プレス作業中に手などの人体がスライド部分に入ってしまわないようにする縦長の遮光式の安全装置です。
この光線式安全機がなければ手が作業中に金型の中に入ってしまう危険性があり、プレス作業での事故やケガの原因となってしまいます。
そこで、プレス機本体の両サイドに上記のようなバー(安全機)を取付け、人の体の一部がエリア内に侵入し遮光すると自動的にプレス機械の駆動が停止する仕組みになっているのです。
【プレス機械の労働安全衛生法131条】
一、安全囲いを設ける等、作業者の身体の一部が危険限界に入らないような措置を講じなければならない。
二、前項の規定によることが困難な場合、次に定めるところに適合する安全装置を取り付ける等必要な措置を講じなければならない。(手払い式安全装置を除く) 出典:日本鍛圧機械工業会
このように、日本鍛圧機械工業会の公式HPにも記載があります。
光線式安全機の種類
光線式安全機には複数の種類があります。
プレス機械の安全装置
出典:理研オプテック
プレス機械の安全機です。
日本国内では安全装置は、「安全装置構造現格への型式検定」に合格している安全装置でなければいけません。
写真は理研オプテック社製のRBS3型というシリーズでPSDI式の光線安全機です。
PSDI式とはカンタンに言うと金型セットのときは安全機の間に手を入れて作業が可能、手を安全領域に戻すと自動で起動し加工できる。というもの。
安全性と作業面での両方で役に立つ安全機になっています。
プレスブレーキの安全装置
出典:理研オプテック
写真のように、バー状のボックスに光線発振器と受光器が付いているものがプレスブレーキ(ベンダー)用の光線式安全機です。
プレス機械用とおなじようにレーザー光線で人の手や指を検知し、作業者の安全を確保し事故を防ぐ装置です。
上記のAKASシリーズは、ボックスベンディング機能を搭載し。従来の光線式安全装置では不可能であった箱曲げに対応しています。
レーザー式安全装置AKAS厚生労働省型式検定
EN954カテゴリ4、EN12622などを取得した、世界標準の安全装置です。
この基準(安全基準)はこちらで詳しく解説されてますのでご覧ください↓
プレスブレーキ用安全機動作Youtube動画↓
【ブランキングシステム】アルミサッシなど長尺ものの加工ができる安全機
プレス機械で作業するには光線式安全機が必須ですが、アルミサッシなどの長尺ものを加工する際は安全機をワークが遮光してしまうため、そのままでは加工ができません。
そこで、光線式安全機の特定位置の光線を無効化する「ブランキング」という機能をつかいます。
ブランキングで長尺ワークの寸法・位置を安全機側へ「記憶」させておけば、ワークの位置のみ光線がオフになり、プレス加工が可能になります。
逆に記憶されたワーク寸法以外の位置が人の手などが入り遮光するとプレス機械は作動しません。
・アルミサッシなど長尺ものには安全機のブランキング機能を使用
・記憶したワークと同じ寸法のみプレスが作動
・記憶した以外の部分が遮光されると安全機が作動しプレス機械は作動しない
こちらの動画を見るとわかりやすいです。
まとめ
よく現場では「作業の邪魔」という声が多い光線式安全機ですが、最近では今回解説したような箱型にも長尺ものにも対応できる「ブランキング仕様」のものも出てきています。
多少のわずらわしさはあるものの、大事故になるよりはましだと思います。
今回はプレス機械での加工に必須と言っても過言ではない、光線式安全機について種類や特徴を解説しました。
日々プレス機械での安全基準は更新されていくので、プレス機械に関わっている方は怪我や事故の無いように随時チェックしましょう。