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旋盤のサイズは尺で表記する?
今回は旋盤のサイズの呼び方のお話しです。
汎用旋盤、普通旋盤などと呼ばれる一般的な「旋盤」という機械はそれぞれサイズがあり、
旋盤の大きさによって加工できるワークのサイズが決まります。
ここで今回問題になってくるのが、旋盤のサイズ「尺」で言う人もいれば「mm(ミリメートル)」で言う人もいる問題、です。
「昔ながらの職人さんは尺って言ってるし尺が正しいのか?mmのほうが正確な感じするしmmが正解?」
「しかも尺ってミリに換算しても旋盤のサイズと合わないのはなぜ?」
「そもそも旋盤のどこの部分ををどういう風に尺で言ってんの?」
と思った方も多いと思います。
今回はそんな旋盤の大きさを表すときに用いる「尺」や「mm」の関係を解説していきます。
まず初めに1尺とは何mmなのか?
1尺=10000/33mm=約303mm
というわけで、長さの単位の尺をmmに換算すると10000÷33=303.0303 となりますので、約303mmです。
とりあえず、1尺は303ミリということが分かりました。
尺という単位は尺貫法という単位の方式で決められていて、
尺貫法(しゃっかんほう)は、長さ・面積などの単位系の一つで、東アジアで広く使用されている。尺貫法という名称は、長さの単位に「尺」、質量の単位に「貫」を基本の単位とすることによる。ただし、「貫」は日本独自の単位であり、したがって尺貫法という名称は日本独自のものである。Wikipedia(尺貫法)
とありますが、1958年に取引や証明に尺貫法を用いるのは禁止されたのです。
つまり細かく言うと旋盤の大きさを尺で表現するのは「間違い」となるわけです。
しかし、機械業界もそうですが旋盤を尺で表すことは多々ある。というよりは、口頭で説明する際は尺で表すことがほとんどです。
旋盤の「尺」はどの部分のことなのか
まず結論から言うと、
「尺」で表す部分は旋盤のベッド全体の長さです。
なので上に乗っかってる芯押し台などはいったん無視して単純に作業面積どのくらいあるの?
といった部分を把握するために「尺」が用いられます。
旋盤のサイズ表記には芯間や振りといった記載がありますが、
それらの部分的なサイズの単位ではなく、尺とは「全体的にこんなぐらいの大きさ」といった大まかな単位で使用されています。
例えば自動車でも、軽自動車・大型のトラックなど、
同じ自動車でも分類されていてそれを聞くとなんとなく大まかにサイズ感がわかります。
その中でも燃費や走行性能、積載量など様々な種類、スペックの自動車があります。
旋盤でも同じように、5尺、6尺とだいたいの寸法で旋盤の大きさを言っているということです。
なので、芯間や振り、などはメーカーによってまちまちです。
例えば6尺旋盤と呼ばれてるワシノのこの旋盤(LEO-80A)の芯間を見てみると↓
芯間は800です↓
ベッドの長さは1960mm↓
となります。
6尺が約1800mmなのでおおよそベッドの長さくらい、となっています。
まとめ
今回は旋盤機械のサイズを表す単位「尺」について解説してみました。
まとめると、尺はベッドの長さをザックリ把握するときに用いられる長さ単位で、正式な文書なんかでは使わない方が無難。
ただ、だいたいの大きさを掴むのには適した表現方法。ということになります。
当たり前ですが、メーカーや型式によって振りの長さはまちまちなので、尺で全てを表すことは難しい、ということです。