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製造業でも進む遠隔業務(リモートワーク)
今回は製造業でのリモートワーク(遠隔業務)の活用について紹介していきたいと思います。
「製造業」や「ものづくり」と聞くと、ITや遠隔業務とは少し遠いイメージで、リモートワークできない仕事、職業といったイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし昨今の世相を受けて、様々な製造業界でもリモートワークを推進する風潮が急速に広まり、今までとは違った働き方がを取り入れている企業が非常に増えています。
テレワーク(英: telework)あるいはテレコミューティング(英: telecommuting)とは、勤労形態の一種で、情報通信技術(ICT、英: Information and Communication Technology)を活用し時間や場所の制約を受けずに、柔軟に働く形態をいう。「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語。在宅勤務(WFH)、モバイルワーク、リモートワーク、フレキシブルワークプレイスとも呼ばれる。また、テレワークで働く人をテレワーカーと呼ぶ。出典:Wiki
そしてこの現在展開されているリモートワーク業態は自宅に待機しながら通勤せずに実務をこなすだけではなく、仮想現実(VR)を駆使したものやシステムの遠隔操作など、多くの場面で活用されています。
VR(仮想現実)の技術を活用しているガラスメーカー「AGC」
俳優の高橋一生さんのCMでもおなじみ、日本の代表的な製造業であるガラスのメーカー「AGC」もVR(仮想現実)を採用し、リモートでの活動に力を入れています。
中でも特に、自動車・建築向けガラスの営業・マーケティングで、VR(仮想現実)の活用事例が増えています。
AGCは試作品のグラフィックデザインをパソコン上で詳細に作成。
ガラスの質感や色味などをリアルに再現したそのデータを、顧客側の「VR端末」で確認してもらうというなんとも近未来的な仕組みを導入しています。
これはウィルス感染症が流行する前からの取り組みにはなりますが、昨今の感染症の影響を受けてより活発に普及するようになりました。
現段階では見た目の質感のみ確認できるシステムですが、
視覚面だけでなく手触り(質感)も確認できるような「触感センサー」の開発も急いでいるとのことです。
人と人が実際に対面するのは、VR機器を持ち込みする最初のタイミングのみなので人との接触回数を格段に抑えることができ、
さらには遠方の顧客にもより密に対応をすることが可能だと感じます。
AGC株式会社(エイジーシー、英: AGC Inc.)は、世界最大手のガラスメーカーである。1907年創立。三菱グループの一員であり、三菱金曜会及び三菱広報委員会の会員企業である。2016年現在の主力製品は、建築用ガラス、フッ素化学製品。 2018年7月に商号を旭硝子株式会社(あさひがらす、英: Asahi Glass Co., Ltd.)から変更した。 ブランドステートメントは「Your Dreams, Our Challenge」。出典:Wikipedia
VR活用で遠隔教育をするロールス・ロイス ホールディングス
高級車で知られているロールスロイスもリモートワークでの事業に取り組むものづくりメーカーのひとつです。
ロールス・ロイス(英: Rolls-Royce)の起源は、1906年3月にイギリスで設立された製造業者であるロールス・ロイス社 であるが、現在は相互に独立した以下の二社となっている。 1906年3月に設立されたロールス・ロイス社 は、航空機用エンジンや乗用自動車の製造を行うイギリスのメーカーであった。出典:Wikipedia
自動車製造が有名なロールスロイスですが、
航空機エンジン製造メーカーとしても大手です。
ビジネスジェットを扱う航空会社向けにVRを活用し「エンジン整備の教育」をリモートで実施しています。
講師であるロールスロイス社の社員がリモートでエンジン整備のノウハウを共有し、航空会社の整備スタッフがVR端末でそれを立体的に受信して学ぶといった形です。
現在はビジネスジェットをメインにリモート講習を実施してますが、順次、旅客機向けにも広がるでしょう。
半導体メーカー「マイクロン」の遠隔作業
半導体メモリーを製造するマイクロン(マイクロン・テクノロジー)でもリモートでのソフトウェア導入が進められていて、注目を集めています。
広島工場の電力設備向けのソフトウェアの導入を遠隔で実施し、出張費用やコストの削減につなげています。
本来なら3人のエンジニアが海外から来日し、1~2カ月の期間をかけて導入作業をするため、
実質かなりの金額と時間の削減が可能になったと考えられます。
・ソフト会社の遠隔操作可能な端末を工場に搬入
・機密保持のセキュリティを強化
・欧州から遠隔操作でソフトウェアを導入
VR・リモートワークで広がる製造業の事例まとめ
・試作品のプレゼンにVRを活用。遠隔地で質感や完成イメージを共有し、試作会議や納品までの時短・コスト削減を可能に。
・熟練の技術をリモートワークで講義。航空機エンジンなどの複雑な保守点検技術をVRによって立体的に離れたところにいる生徒に教え、技術を伝達できる。
・ソフトウェアを遠隔操作で導入。コストや時間の大幅な短縮に成功。
あくまで一例ですが、VR・リモートワークで可能になった実例をご紹介しました。
まだまだ製造業の世界ではVRの導入には、設備費用・ネット環境の整備・モニターのスペックなどいろいろなハードルがあり、成功事例が少ないのは事実ですが、確実にリモートワークでできることに広がりが出てきています。
また、各企業自体もリモート化・VRの導入などに積極的になっている傾向にありますので、今後さらに広がりを見せるのは確実です。
特に機械の整備、保守点検などは実際に見て学べる部分は多いので、VRの活用はかなり有効なんじゃないかと思います。
事実、ふだん機械の整備をやっていても、図面だけでは複雑な部品の構造などがわかりにくいところはよくあります。
今後も製造業のVR・リモートワークといった視点でも業界動向に注目していきます。
それでは今回はこのへんで。