だいたいハコ型の囲いでおおわれてるから見た目もややこしいよな!
違いがわかりにくい”工作機械”の種類や特徴について超カンタンにまとめています!
できるだけシンプルにまとめるから安心してや~!
コンテンツ
NC旋盤とは~違いと特徴まとめ~
出典:滝澤鉄工所
汎用旋盤はチャックでつかんだ工作物を回転させ、
バイトと呼ばれる切削工具を当てて素材を削る工作機械のなかでも王道の機械。
工作物(素材)が回転するのが特徴です。
送り操作や工具の交換をNC制御によって自動化させたものがNC旋盤となります。
NC制御によって作業者のちがいによる仕上がりの差がなくなり、
だれが加工しても一定水準の製品を作ることができます。
・外丸削り・面削り・テーパ削り
・中ぐり加工・穴あけ・ねじ切り(タップ)
加工に合わせてツールを選びます。
NC旋盤にはそのツールをストックしておき自動で選択・本体の切削部分にセットする
「ATC(オートツールチェンジャー)」が標準・オプションで装備できます。
【主な取り扱いメーカー】
◆森精機
◆オークマ(OKUMA)
◆中村留精密工業株式会社
◆株式会社滝澤鉄工所(TAKISAWA)
◆ヤマザキマザック
・「加工対象を回転」するのが”旋盤”
・汎用旋盤をNCで動かすのがNC旋盤
・主軸台のチャックでつかんだ「工作物を回転させ」加工する
NCフライスとは~違いと特徴まとめ~
出典:イワシタ
工作物を可動式のテーブルに取り付け、
「フライス」という工具で切削する。
それをNCで制御しているのが「NCフライス」なんです。
汎用の手動フライスは直線だけの加工ですが、
NCフライスではタテ・ヨコ・高さの3方向の加工制御が同時に可能です。
3方向同時、ということは「曲線や曲面」を切削することができるということなので
より柔軟な加工に対応できますね。
【NCフライスでできること】
・面取り加工(正面フライス)・溝加工(エンドミル)
・穴あけ加工(ドリル)
NC旋盤とできることは似ていますが、
主な違いは可動式のテーブルに加工対象を取り付け、
テーブルを上下左右にうごかして加工する点です。
【主な取り扱いメーカー】
◆牧野フライス製作所(MAKINO)
◆静岡鐵工所(SHIZUOKA)
◆イワシタ(IWASHITA)
◆OKK
静岡鐵工所やイワシタなどのように「フライス」に特化したメーカーが多いのも特徴です。
・可動式のテーブルに工作物を固定してテーブルを動かす
・主に「フライス」という工具を使って加工する
・NCフライスでは直線だけではなく曲面の加工も可能になる
まあ、他にもあるけどそれがいっちゃん極端な違いやな!
NC中ぐり盤~違いと特徴まとめ~
出典:東芝機械
工作物にボール盤などで開けた穴をボーリングバーという工具で広げていく工作機械。
こちらもNC旋盤のようにツールチェンジャーでボーリングバー・エンドミル・タップなど工具交換が可能です。
テーブルが前後左右に動き、さらに回転もするため長尺の加工物に適しています。
【NC中ぐり盤でできること】
・中ぐり加工(ボーリングバー)・表面加工(フライス)
・穴あけ(ドリル)・ねじ切り(タップ)
フライス加工もできますが、機械の構造的にNCフライスの方がダンゼン適していますので、
主にあらかじめあけた細穴(ガイド穴)を大きくくり抜くように広げていく【中ぐり】に適しています。
NC制御の発達により複雑な動きができるようになったためそれぞれの工作機械のできることも増えています。
餅は餅屋、それぞれの【得意な加工】に【得意ではないけれど可能な加工】がプラスされているといったイメージでOK。
【主な取り扱いメーカー】
◆山崎技研
◆東芝機械(TOSHIBA)
◆池貝(IKEGAI)
◆安田工業(YASDA)
タテ(地面に垂直)についてるのが【立中ぐり盤】です!
マシニングセンタとは~違いと特徴まとめ~
出典:株式会社ツガミ
別名「複合加工機」
金型や金属部品の加工に使用する、
表面削り(フライス)・中ぐり・穴あけ・ねじ立てなど様々な加工を1台で実施できる機械です。
自動工具交換機能(ATC)でマガジン(各工具を格納しているところ)から工具をえらんで、
NCにプログラミングしたとおりに加工してくれます。
オーソドックスなのはX軸、Y軸、Z軸の3方向に可動するマシニングセンタですが、
3軸にくわえて2軸の可動ができる5軸マシニングセンタが各メーカーから続々と登場中。
NCフライスとの違いは【ATC(オートツールチェンジャー)】があるかないかです。
NC旋盤との違いは
【加工物(ワーク)が回転/切削工具(メカ側)は回転しない】→【NC旋盤】
【加工物(ワーク)が回転しない/切削工具(メカ側)が動く】→【マシニングセンタ】
となります。
【マシニングセンタで出来ること】
・外丸削り・面削り・テーパ削り
・中ぐり加工・穴あけ・ねじ切り(タップ)
【ATC】に様々な種類のツールを搭載できるので、主な工作機械加工のほとんどが可能です。
【主な取り扱いメーカー】
◆ヤマザキマザック(Mazac)
◆DMG森精機
◆OKK
◆オークマ(OKUMA)
◆ファナック(FANUC)
◆ツガミ
かつて存在していた大手メーカーである「日立精機」は2004年に経営破綻し「DMG森精機」に合併されました。
中古市場では現在も出回っていますが新品はもう販売していません。
ファナックは「ロボドリル」という名称で発売していますが、
マシニングセンタのことです。
・ツール自動交換機能【ATC】
・加工物は回転せずに機械が動いて加工する
・3軸と5軸が現在の主流
まとめ(早見表)
以上【NC制御工作機械】の中でも特に違いが分かりにくいものをまとめてみました。
下記は各機械の特徴早見表です。
分からなくなったときはこの表をみれば初心者でも一瞬でどの工作機械なのかわかります。
NCフライス | ✅可動式テーブルにワークを固定
✅刃具とテーブル動かして加工 ✅ATCなし |
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NC中ぐり盤 | ✅テーブル回転
✅長い大きいモノに大きい穴加工用 ✅ATCあり |
NC旋盤 | ✅ワークが回転
✅刃具は固定 ✅ATCあり |
マシニングセンタ | ✅ワーク固定
✅機械が動いて加工 ✅ATCあり |
それでは今回はこのへんで!