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シャーリングマシンの板押さえとは?
シャーリングマシンの板押さえとは、シャーリングマシンが鉄板を切断する際に刃と同じ方向から降りてきて鉄板がずれないように押さえる機構のことです。
板押さえが無ければシャーリング加工の切断面が波になったり返りが出たりとうまく加工ができません。
この記事では、シャーリングマシンの板押さえの種類について解説していきます。
現在主流の方式は大きく分けて2つ「スプリング式」と「油圧式」です。
それぞれの特徴や違い、メリットデメリットなどをまとめました。
スプリング方式板押さえ
出典:相澤鐵工所カタログ
相澤鐵工所のA3シリーズなど多くのメカシャーリングが採用している板押さえが「スプリング式板押さえ」です。
シャーリング板押さえの中でも最もシンプルな板押さえの種類で、昔から多くのメーカーで採用されています。
出典:相澤鐵工所カタログ
【構造】
構造は、大きなスプリングがシャーリング本体の刃の方向に沿って等間隔でセットされています。
そのスプリングの力で板を押さえて切断加工していく方式です。
【メリット・デメリット】
メリットは、単純な構造なのでメカ的な故障が起きにくい、起きたとしても、一目でわかるので対処がシンプルです。
デメリットは、スプリングの力のみで板を押さえるので、このあと解説する油圧板押さえ方式と比較して鉄板のホールド力で劣る点です。
・バネの力で鉄板を押さえて切断加工する種類
・メカシャーリングに幅広く採用されている
【メリット】
・構造がシンプル
・破損や故障時に見てわかりやすい
【デメリット】
・油圧式板押さえと比べるとパワーが弱い
・定期メンテを怠ると経年劣化で割れてしまうこともある
出典:相澤鐵工所カタログ
オプションで油圧板押さえに変更できる機種も存在します。
油圧方式板押さえ
油圧板押さえとは、
文字通り油圧の力でシャーリングの板押さえを行う方式です。
前述の「スプリング式」よりもパワーが強く、
しっかりと鉄板をホールドしてくれるのが特徴です。
なので、ふつう加工範囲が2000mm以上になってくるとこの板押さえの方式が多いです。
出典:相澤鐵工所カタログ
【構造】
↑このメーカーカタログにあるように、
板を本体から出ている油圧シリンダーで押さえて切断加工します。
このシリンダーの先、鉄板に直接当たるところには
樹脂やゴムが貼られているため、加工時に鉄板が傷つくのを防いでくれます。
出典:相澤鐵工所カタログ
シャーリングのテーブル下に組み込まれていることがほとんどです。
【メリット・デメリット】
メリットはやはり、板押さえのパワーが強くて安心という点でしょう。
スプリング式でも問題なく加工は出来ますが、加工幅が大きくなると油圧式を選択するほうが無難です。
デメリットは、故障時のメンテが大げさになってしまうという点です。
スプリング方式だと例えばバネが1コ破損した場合、
その壊れたバネを取り換えるだけで済むのですが、
油圧板押さえは故障してしまうとユニットの交換になった場合、費用が高くなります。
・油圧式の板押さえ
・本体下のユニットからの油圧で鉄板を押さえてシャーリング加工
【メリット】
・スプリング板押さえよりもしっかり押さえてくれる
【デメリット】
・メンテ含め全体的にやや価格が高くなる
【まとめ】
今回はシャーリングマシンの板押さえ方式の種類についてカンタンに解説しました。
よく中古で引き取ってきたシャーリングの板押さえのバネが割れてて取り換えたりしますが、
二人がかりでやればそんなに複雑な作業ではないので、ご安心ください。
板押さえの方式は今回紹介した二つが現在主流になってますので、参考にしてもらえたらと思います。
それでは今回はこのへんで!!
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