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【騒音や防振について】プレス機械の下には何を敷くのがベストなのか
今回はプレス機械の下に敷くものについての記事です。
プレス機械は構造上フレームなどが揺れたり振動する場合がほとんどです。
プレスの振動は意外に厄介で、振動が大きすぎると工場の床を傷めてしまったり、騒音問題になったりしてしまいます。
そんなプレス加工時の振動を防振するために、いくつかの防振アイテムがあります。
どんな素材のどんな種類のものが使用されているのかを解説していきますので一緒に見ていきましょう。
・周辺に騒音がでてしまう
・工場の床を傷めてしまう
・金型やプレス機械破損の原因にもなる
こんなデメリットを回避する為のアイテムです。
プレス機械の防振対策1【防振マウント】
出典:モノタロウ
プレス機械の振動を止める為に本体足の部分に敷くのが「マウント」というものです。
マウントとは、接地面がゴム状になっており、防振の役割を果たします。
また、ねじと鉄板を上げ下げすることでプレス機械のレベル出しも可能です。
工場でプレスの加工をする際はだいたいこのような防振マウントをプレス機械の下に設置するのが一般的です。
この防振マウントは1個単位でふつうにモノタロウなんかでも購入できますし、価格も特殊なものでなく安価なものであれば¥10000~¥20000くらいなので必要な時にすぐ手に入るモノではあります。
↑僕たちもストックとして防振マウントは倉庫に各種持っています。
購入時はマウントの種類ごとに耐荷重が決まってますので、もし自分が必要な防振マウントがわからない場合は購入先かメーカーに問い合わせてみましょう。
防振マウントの種類
ゴム式の防振マウント
防振用の弾力と耐久性のあるゴムを使用した防振マウントです。
マウントといえばこれ、といったイメージがあるのではないでしょうか。
こちらは中央に出ているレベリングボルトを回すことでレベル(機械の傾き)の調整ができる種類です。
大小さまざまな種類がありますので、サイズの選定は要確認です。
※マウント単体でレベル調整ができないものもあります。
移動も可能な防振マウント
防振もしながら、移動時にキャスターの役割をするマウントもあります。
レベル調整が可能かつ、プレス使用時には防振効果があり、移動用のボールが埋め込まれているので
移動するときもマウントを付けたまま移動が可能です。
上記のような構造になっています。詳しくは倉敷化工㈱HP をご覧ください。
空気ばね式のマウント
空気ばねを用いた防振マウントもあります。
丈夫なゴムの中に圧縮した空気を入れてその保持圧力で防振・除震するマウントです。
どちらかというとコンプレッサなどの細かく振動する産業機器に使われる防振装置です。
こちらも空気バネの形状や用途によって様々な種類に分かれます。
プレス機械の騒音について
注意点として、プレス機械本体の振動については防振マウントで軽減されます。
しかし、金型部分の振動、衝撃を緩和する用途ではないため少し注意が必要です。
例えば抜き加工時の加工している口開きの部分の騒音対策なんかには「防音用の囲い」を使用している工場が多く、プレス用の防音囲いが販売されています。
出典:三友工業株式会社
こちらは三友工業株式会社のプレス機械用防音カバーです。
これはプレスライン全体を覆う防音囲いですが、プレス機一台ずつを囲うタイプのものもあります。
防振マウントのメーカー
プレス機械メーカー純正のものとサードパーティーのメーカーがあります。
防振性やレベリングのやり方、特殊ゴムの素材感などなど、メーカーによって防振マウントの特性が別れています。
基本的には、使用しているプレス機メーカーか機械の商社へ問い合わせて防振マウントの選定・手配をします。
プレス機械の防振対策2【防振ゴムシート】
大型のプレス機械などは先述の防振マウントを敷くと効果的ですが、
もう少し小さい(1ton~5ton)小型のプレス機械などは、防振ゴムを敷いて防振することもあります。
柔らかい素材の厚手のものを選んでしまうと、樹脂の揺れで余計に機械本体がふらついてしまう恐れがあるため、硬めのシートを選ぶようにすると良いです。
まとめ
プレス機械の加工時には素材によってかなり振動が起きる場合もあります。
適正な防振マウントをプレス機械に履かせることで振動は軽減されますので、振動が気になる方は対応してみてください。
マウントは特殊ゴムを使用していて最近のものは特に丈夫な造りになってますが、経年劣化によりひび割れや摩耗が出ることがあります。
定期的に防振マウントの劣化状況を確認するのもお忘れなく。
それでは今回はこの辺で。