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プレス機械の付帯装置「ロールフィーダー」とは
出典:アイダエンジニアリング
ロールフィーダーとは、プレス加工においてワーク(鉄板やコイル)をプレス機械へ送り出すための「送り装置」です。
プレス機械本体のボルスタ側面に取り付けて使用します。
プレス加工前のコイル材↓
出典:豊鋼材工業㈱
プレス機械での量産部品などの加工は連続運転で長いコイル状のワークを抜くことが多いため、このロールフィーダーでワークを送り出しながら一定のスピードで加工していきます。
出典:ミスミ技術情報
↑上記のように上と下のロールで挟んで送り出します。
出典:双葉
↑軟鋼材を通す場合は傷がつきやすいため、上記のようなウレタン製のロールに変更も可能です。
ロールフィーダーの送り方向は通常プレス機械に向かって左から右ですが、出荷時のオプション仕様変更で逆向き(右から左)へ送れるものもあります。
現在主流のNCロールフィーダーで出来ること
現在はNC制御のロールフィーダーが主流になります。
・送り長さの設定
・送り速さの設定
・プレス機械側のSPM(回転数)と連動した送ワーク送り
昔は制御盤が別の装置もありましたが現在はタッチパネル式の操作盤がフィーダーに一体化されているものが一般的です。
ひと昔前よりも操作方法も簡易になっていますが、プレス機械本体と接続する配線の数が非常に多いため、新品のロールフィーダー購入時にはメーカー立ち合いの元、設置と試運転を依頼するのが確実です。
アイダ製NCロールフィーダー【F-20Ⅲ】試運転動画
今説明したNCロールフィーダーの動作が実際にわかる弊社の試運転動画がありますのでご覧ください。
アイダ製NCロールフィーダーF-20Ⅲの動画です。
タッチパネルディスプレイの操作で低速・中速・高速など切り替えができるのがわかると思います。
こちらのサイズのロールフィーダーで、
コイル板幅30~200mm
コイル板厚0.3~3.2mm
送り線高さ50~150mm
の能力です。
※この弊社在庫ロールフィーダーはすでに売約済みです
同じ送り装置でもロールフィーダーとレベラーフィーダーでは用途が違います
↓レベラーフィーダー。ロールフィーダーとは用途も形状も違います。
出典:伊達機械
ここまで解説したロールフィーダーとよく間違われる機械で「レベラーフィーダー」というものがありますが、こちらはロールフィーダーとは用途が違いますので注意してください。
レベラーフィーダーは通常、上ロールと下ロールでコイル材をレベリング(曲がったワークを平らに伸ばす)しながらプレス機械へと送り出します。
この時、ワークの曲がりを矯正するため、上ロールと下ロールのピッチを縮めていき、ちょうど良い位置を決めて矯正していきます。
ロールフィーダーはこのようなワークの矯正機能はないので、ワークの矯正をしたいという場合はレベラーフィーダーか、ロールフィーダー+レベラーをセットで使用する必要があります。
逆にワークの矯正が必要ないプレス加工の場合は「ロールフィーダー」で送りだした方が省スペースになるメリットがあります。
・ロールフィーダーにはレベラー機能は付いてない
・ワークを矯正して送り出す際はレベラーフィーダーを使用
・どちらもプレス加工の付帯設備だが用途が少し違う
まとめ
ロールフィーダーとはワークの送りに使用する機械ですが、レベラー機能が付いていないので用途に合わせてレベラーやレベラーと組み合わせて使ったりします。
アマダオリイ・アイダエンジニアリング・双葉などのメーカーが有名で、現在はNC制御のものも多くなってきています。
用途に合わせて選べる幅も増えてきていますので、この記事も参考にしながら最適なフィーダーを選んでみてください。
(2020年4月追記)
レベラーフィーダのメーカーごとの特徴について記事を更新したので、
そちらもあわせてご覧ください↓